「娘たちをピッピに育てよう」 お出かけ企画チーム長の試み

 「うちの娘たちを『長くつ下のピッピ』のピッピに育てるべきか、大人しいアンニカに育てるべきか」

 二人の娘を育てているホン・ジュンヒ(33)さんは常にそのような悩みを抱えている。世の中に向けてたくさんのアンテナを立てている彼女は、1カ月前、思いがけない“職場”を得た。インターネットサイト『www.momschool.co.kr』のお出かけ企画チーム長。世の中の見物が好きで、人を連れ歩くのに優れた才能を持っている彼女を評価しての“専門職”だ。

 ホンさんの二人の娘、ソユン(8)、ソミ(5)ちゃんも遊びの達人だ。紙一枚、木の枝一つ、石ころ一つだけでも、子供たちは楽しそうに遊ぶ。簡単な植物図鑑やミニの絵本を作り、大人たちを驚かせることもある。週末毎に母に連れられて行った北漢(ブッカン)山、吉(キル)洞の生態公園、ヒョンアム天文台などで見て、学んだことを実践する。ソユンちゃんは「雨が降っても遊べる10の方法を知っている」と話すほどだ。

 「上の子が幼稚園に行くのを嫌ったので、ホームスクーリングに関する資料を集めていたところ、偶然『長くつ下のピッピ』の著者、アストリッド・リンドグレーンが書いた文章を読んだことがあります。幼いころ、遊び疲れて死ぬかと思ったってね。幼年期に親と思い出をたくさん作っておくと、後で葛藤が生じたり、道を外すことがあっても、結局親元に戻ってくる紐になってくれるというから、土曜日になると、何が何でも、子供たちと一緒に出かけて行きました」


 どのように、何をして遊ぶかと悩む母親は意外に多い。『www.momschool.co.kr』で出会った主婦たちと一緒に「お母さんと一緒に出かける思い出の旅行」を始めた。自分の旅行経歴とこれまで構築しておいたインターネット網を活用して、ソウルから江原(カンウォン)道の山奥まで、週末毎にお出かけのコースを決めた。人が余り行かない場所、行って来て決して後悔しない興味津々の旅行地へ。必ずしも長距離であったり、田舎である必要もなかった。探してみれば、ソウルのど真ん中にも面白くて、教育的なお出かけコースは多々あった。

 ノーハウは自然と身に付いた。映画、演劇、展示会は絶対に初回を観覧すること。体験学習のサイトや旅行会社を選択する時は、必ずBBSなどのアップデート状況をチェックしなければならない。本当に良い旅行地は、マスメディアで大きく紹介されていないということも憶えておくこと! だから、ホンさんの「お気に入り」には各国の大使館から小さな児童図書の出版社に至るまで、細かなお出かけ状況を得られるサイトがびっしりリンクされている。

 小学校1年のソユンちゃんは、お母さんとの旅行の土産話を自分のホームページ(madlin.nazzang.cc)や『www.momschool.co.kr』、環境運動連合の消息紙に載せている。書き取りの点数は60点であるが、お出かけは子供たちにそれ以上の実を実らせている。

 「1時間歩くのは普通です。偏食もしないし、宿所が不便でも文句も言わない。友たちもたくさん作ったんです。お姉さんやお兄さん、妹や弟もできました」ソユンちゃんの感想も面白い。「勉強、勉強とばかり言う先生ではなく、遊びなさいと言う先生が多いから好き。カレーはちょっと飽きたけど」

 ホン・ジュンヒさんはひとまず二人の娘をピッピのように育てる決心をした。「たくさんのことを経験して、逞しくて強い、主体的な子に育って欲しいですね。『こんな世界もあるよ』と見せてあげている間、子供も大人も一緒に成長するはずですから」。

金トクユン記者
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