1999年、移動通信TTLのCMモデルとして一気にスターダムに上がったイム・ウンギョン(19)が、今度は映画で観客を驚かせるようだ。作品を出すたびに話題を集める張善宇(チャン・ソンウ)監督の新作『マッチ売りの少女の再臨』(9月13日公開)のヒロインでスクリーンデビューする。撮影期間16ヵ月、韓国映画史上最大という総制作費110億ウォンを投じた “アクションファンタジー”だ。ゲームという仮想空間と現実世界を行き来するこの映画でイム・ウンギョンは「マッチ売りの少女の再臨」というゲームに登場する“マッチ売りの少女”であると同時にゲームセンターのアルバイト“ヒミ”を演じる。この映画とイム・ウンギョンに対する質問を10に分けてQ&A方式で紹介する。
①張監督はこの映画が“アクションのギフトセット”になると話している。アクション演技は大変だったのでは?
「ワイヤーに吊るされるのが一番大変でした。6時間近く吊るされていても自然な演技をしなければならなかったので。でも撮影に入る前の2000年10月から3ヵ月間、足蹴り、足場からのジャンプ、ワイヤーを付けての回転など、トレーニングを受けていたので大丈夫でした」
②全130シーンのうち80%が銃撃戦かアクションシーンだという。主演として映画の性格を規定するなら?
「アクションだけどラブストーリーもあり、コメディの要素もあります。ゲームに没頭するチャジャン麺の出前持ち“ジュ”(金ヒョンソン)が偶然『マッチ売りの少女』に出会い、一目ぼれします。それから少女に似たゲームの中のヒロインを救おうとします。少女は少女なりに自分を不幸にするシステムに銃を向け、抵抗を始めて…。ひとつ確かなのはこれまで見たこともないとても独特な映画だということです」
③ゲーム上のキャラクターという設定のため、演技の幅が限られるという気はしなかったか?
「それほどなかったですが、ゲームの中の人物だという印象を与えるにはどうしたらいいのかと常に悩みました。結論は『あれこれ考えないこと』。ライターを売る時は『私はライターを売るかわいそうな少女』、銃を撃つ時は『私は怒っている』という感じで、ひとつの考えに集中しようとしました」
④その少女を通じて何を表現したかったか?
「少女は抑圧され自分を見つけられなかっただけで、自由奔放な魂のような存在です。最近の若い人と似ている面が多いように思います」
⑤張監督は李ジョンヒョン(『花びら(日本公開タイトル:つぼみ)』)、鄭仙景(チョン・ソンギョン/『あなたに私を送る』)、金テヨン(『嘘(同:LIES/嘘)』)など、新人を育てる手腕を持っている。なぜイム・ウンギョンをこの映画のヒロインに抜擢したのだろう。
「たぶんCMで見せた神秘的なイメージがゲームのキャラクターにぴったりだと思ったんでしょう。監督の第一印象は『怖い』でした(笑い)。撮影開始後4カ月はろくに話しかけることもできませんでしたが、とても優しい人でした」
⑥様々な職業の人たちが映画に出演した。女性に性転換手術した中国の舞踊家チンシン(金星)、ロックバンド「NOVASONIC」の金ジンピョ、武術監督チョン・ドゥホン…。彼らに演技で圧倒されてはならないという強迫観念はなかったか?
「全然。そういう考えは演技の妨げになるだけだと思いました。気楽に自分の感情に正直にやろうとしました」
⑦映画公開後、どういう風に評価してほしい?
「いい演技だったという話はまず聞けないでしょうね(笑い)。あの子、ひたむきにがんばったんだなって言ってもらえたら」
⑧自分の短所は?
「恥ずかしがりなところ。人見知りするんです。人の先に立つことも好きじゃないし、騒ぐことも嫌いです」
⑨ルックスにコンプレックスはある?
「(恥ずかしそうに笑ってから)あえて言うなら口が小さいこと」
⑩国内外を問わず、尊敬する俳優は?
「『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(ラース・フォン・トリアー監督)のアイスランド出身のビョーク。とてもいい映画でした。
国内ではあこがれの俳優はいませんが、私がいつかすばらしい俳優になって『イム・ウンギョンみたいになりたい』と言ってもらえるようになりたいです」