金恵秀「ホラー映画初出演…自然に身を任せた」

 金恵秀(キム・ヘス/32)は過去16年間、変わりなく“元気な”女優だった。彼女は笑う時が最高魅力的な表情と身体でもってテレビやスクリーンで活躍し、司会を務めたトークショー番組は100回を超えるなど名誉も手にした。

 その金恵秀が初めてホラー映画に出演した。韓国、タイ、香港の3カ国の監督が集まって制作した『スリー』(23日公開)で、金知雲(キム・ジウン)監督の『メモリーズ』のヒロインを演じたのである。新都市、中産層家庭の妻の彼女は、ある日、道路の真中で目が覚め、自分の家を探し回る。映画の中で、始終笑みが消え、怯える表情を見せたこの女優に会った。

▲彼女の身体=「俳優にとって身体は全てだと言えます。台詞も表情の演技も重要だけれど、それらが身体と切り離されているわけではないですから」彼女を付きまとっている修飾語は、「変わりなくセクシーだ」、「華麗だ」、「健康美が溢れる」、「明るく元気だ」などなど。

 実際の金恵秀は、自分の身体全体が好きだという。「何故なら、身体は私に与えられた“条件”であり、私の職業は与えられた条件を最大限に活用しなければならない女優ですから」ホラー映画は初めての経験であったが、最大限、自然の流れに身体を任せたという。

▲彼女の言葉=しかし、一人の人間としての金恵秀を少しでも知っている人が彼女に付ける修飾語は「話しが上手くて、頭の良い女優」だ。「もともと、以前から金知雲監督と一緒に仕事をしてみたかったんです。“非主流の情緒”を“主流の情緒”に引っ張り上げられる監督だと思います」

 この女優の話は型にはまった返事ではなく、一つ一つ考えてから返って来る。感嘆してしまうほどだ。「ホラー映画だから演技の幅が制限されたのではないかというのは、よく知らないから言える話です。ジャンルに関係なく、演技は俳優次第ですから」

 これまでの人生の半分を演技で生きて来た金恵秀には夢が一つある。「いつか、自分で直接撮影して、編集までする映画を制作したい。人間の理性と本能がぶつかる時、結局は本能が勝利するというテーマのシナリオも構想中なんです」

 本当に魅力溢れる女優ではないか。

シン・ヨングァン記者
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