端麗なイメージの新人タレント 金ユミ(22)がトップの座を狙っている。『商道』、『ロマンス』に続いて、KBS第2テレビの『太陽人・李済馬(イ・ジェマ)』で、李済馬の初恋であるソリを演じている金ユミ。『太陽人・李済馬』が20%を超える視聴率で順調なスタートを切ったのは、ムードのあるソリを演じている彼女の功労に負うところが大きい。
「過去1年間、1日も休みなく走ってきました。他の人の世界を経験できる演技は、本当に魅力的です。辛いとは全然考えませんね」
ムダン(巫女)の娘であるソリは現在、李済馬と熱烈な恋に落ちているが、後日、他の人に自分の愛する男性を譲る。『商道』で演じたチェヨンが主人公のイム・サンオクを密かに片思いするが、最後まで結ばれなかったのと似ている。
「私が悲恋なイメージなんでしょうかね。ずっと、片思いで切ない思いをする人物を演じています。それでも『商道』で片思いで終わっているのに比べ、今度は良い方ですよ」
そのためか、金ユミはロマンチックコメディーのヒロインを夢見る。『ベスト・フレンズ・ウェディング』に出てくるジュリア・ロバーツのようにウィット溢れてユーモアなキャラクターを無理無く演じられるようになるのが目標だそうだ。
金ユミは2000年、KBS第2テレビの『警察特攻隊』で“殺し屋”のタンビを演じ、か細いけれど鋭い目つきと自然な演技で視聴者から注目された。しかし、それもつかの間、次の作品であるSBSテレビの『天使の憤怒』が制作上の問題で早期終了となり、1年間、テレビを離れた。
「その時の衝撃で気苦労が多かったんです。なぜタレントになったのだろう、この先もこの道を歩むべきだろうか、ずっと悩みました。背を向けられそうで、大衆の前に立つのも怖かった」
しかし、今は自信に満ちている。スクリーンデビュー作の映画『フォン』の興行成功も肩の荷を軽くした。「先週末で観客数が120万人を超えたそうです。すごい反転のある映画だから、必ず観て下さい。私がミステリーのカギを握っているんですから、それも念頭に置いてくださいね」『フォン』の話になると、顔から笑みが消えない。
金ユミは母の強要(?)でタレントになったという。軍人だった父の世話に明け暮れていた母が、娘を華麗に育てたいと思ったのである。平凡な学生時代を夢見た金ユミを芸術高校に入学させたのは、全的に頑固な母の意志だった。
「母が急に芸術高校に願書を出したのを知って、大泣きして反発しました。でも、学校で舞台を経験してから、“もう1人の私”を発見することができた。今は演技をしている時が一番幸せです」。