ミュージカル制作に挑戦する演劇俳優・尹石花

 演劇俳優の尹石花(ユン・ソクファ/47)さんが、大型ミュージカルの制作を手がける。尹さんは英国RSO(Robert Stigwood Organization)社のポップミュージカル『サタデー・ナイト・フィーバー(Saturday Night Fever)』をアジア地域で5年間公演できる版権を購入、9月2、3日にオーディションを実施し、年明けの公演を目指して稽古に入る。演出も本人が直接手がける予定だ。

 その一方で10月10日から11月22日まで、モノドラマ形式のコンサート『花園で』に出演、芸能人生の新たな局面を切り開く。

 「廃墟になった場所に再び花は咲くでしょうか?自分自身を見つめてみたいんです」

 尹さんは夫(金石基(キム・ソッキ)/元中央総合金融代表取締役)が2000年6月に不渡りを出してから経験した経済的、精神的苦痛について、多くは語らなかった。現在、彼女が発行人を務める『月刊客席』のビルの1、2階を2年前に小劇場の敷地として購入したが、「精美所」という劇場名をつけただけで、工事を進めることができないでいる。

 10月に公演予定の『花園で』は、人生の断片を歌で表現する公演。彼女は「実はこの公演は『精美所』を完成させる資金集めのために行うもの」と率直に打ち明けた。「『精美所』は主人を頼りにしていましたが、今は無理じゃないですか…。今の私が劇場を作るのは贅沢だと言われるたびに、放棄してしまいたいと思います。でも、私の夢は芸術が花咲いて交流する“花園”を作ることなんです。私の力で2年以内にはなんとか作って見せます。その時になれば、その間に耐えてきた熱い涙を流すことができるでしょう」

 尹さんは女優人生で最も幸せだった瞬間を「92年の『娘に送る手紙』で観客全員からスタンディングオベーションを受けた時」と語った。「最も忘れたい瞬間は?」との質問には、97年のミュージカル『明成皇后』がニューヨークで行われた際に、主役の座をソプラノ歌手の金原禎(キム・ジョンウォン)と李テウォンに明け渡したことを挙げて「女優としてのプライドに大きく傷がついた、二度と思い出したくないこと」と語った。

 本業の演技以外にもミュージカルの制作や小劇場建設という2つの課題を自らに課した尹石花。「私がプロですって?でも、実際はものすごく怖いんです。夜も2、3時間しか眠れません。夢に『サタデー・ナイト・フィーバー』や『精美所』のことが出てきて…。

これらをすべて成し遂げた時、初めて大海原に出た気分になれるでしょう」

李圭鉉(イ・ギュヒョン)記者
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