最近、芸術の殿堂・オペラ劇場が子供たちやカップルで一杯だ。舞台を一面に凍らせて行われるアイスバレエ『シンデレラ』(11日まで/振付:コンスタンチン・ラサディン/音楽:プロコフィエフ)のためだ。
ロシアのサンクト・ペテルブルク国立アイスバレエ団が行うこの公演のシンデレラと王子は、実際の夫婦でダンサーのエレナ・コマロワ(女)とアレクセイ・ボゴセイが演じる。『シンデレラ』以外にも同バレエ団のトップダンサーとして活躍するこのカップルは、結婚してから16年経ったことだけを明らかにし、「どうか歳だけは聞かないでほしい」と求めた。「年齢が分かってしまうと、観客のイメージを壊してしまいそうで…」と理由を話す。
二人とも80年代初頭にロシアのフィギュアスケート・チャンピオンシップで優勝経歴があるため、少なく見積もっても30代半ばには達しているはずだ。しかし、氷の上で華麗に飛び回る軽快な動き、観客を童話の世界に導く美しい姿はまるで20代前半のようだ。
二人はロシアのサンクト・ペテルブルクで生まれ育った。「故郷では冬が5カ月続きます。子供の時には誰もがスケートを学びます」。6歳の時からフィギュアスケートの選手だった二人は、エレナが12歳、アレクセイが14歳の時に選手権大会で出会った。
彼らが所属するバレエ団は、毎年11月からの4カ月間、米国全土をツアー公演で回るなど、1年のうちの7カ月ほどを海外で過ごす。すべての公演は今回と同様、オペラ劇場の舞台に縦横それぞれ12.8メートルのアイスリンクをセッティングするのも特徴だ。
アレクセイは「アイスバレエのダンサーは、1年の半分以上を海外で過ごすので、パートナーが私の妻なのが本当に幸い」と語った。エレナは「『シンデレラ』はコミカルな場面が多く、主人公のデュエットを十分に見せられないのが残念。でも夢のような甘いストーリーは本当に好き」と語った。