『帝国の朝』で強い女性像を演じる全恵珍

 KBS第1テレビの大河ドラマ『帝国の朝』に出演中の全恵珍(チョン・ヘジン/32)が“屏風”役から少しずつ脱しながら、主人公“大穆(テモク)皇后”としての威厳を取り戻している。男性出演者を中心に展開されるこのドラマで、夫 光宗(クァンジョン)の即位が近づき、彼女の登場回数も増えつつある。

 最近、ドラマの中で大穆皇后は、無能な定宗(チョンジョン)を追い出して、ワンソ(後の光宗)を王位に就かせるために、親族関係にある豪族たちを相手に根回しに懸命だ。西京遷都という欲望に目がくらんだ定宗が、庶民たちの労動力を搾取する現場には救護所を設置し、人々の傷を癒しながら食事を提供するなどして民衆の心を掴もうとする。

 「高麗時代の積極的な女性像を見せてくれる人物だと思います。自分が正しいと思う事に対してはどんな難関にも決しても屈しないでしょう。しかも、なかなかの野心家で“権謀術数”にもたけているんです」

 今年で芸能生活11年目を迎える全恵珍だが、時代劇への出演は今回の『帝国の朝』が初めて。夢に描いた主人公を演じることになった全恵珍が、初めて迎えた試練は、白頭(ペクトゥ)山で行われたロケの際の身を切るような寒さだった。それから4カ月が過ぎて最近行われている後半部分のロケは、打って変わって暑い日差しの中、何重にも着込んだ宮廷衣裳に身をまとって撮影をしている。本人の誕生日でもある9日にも、炎天下の中で1日中行われる光宗の即位式の撮影があるため、いつにも増して緊張しているという。

 「本当に大変なんです。暑さや寒さも問題ですが、頭にのせる重いカツラのせいで、円形脱毛症になってしまって、そのほうがもっと心配です。時代劇に出演してから、自分に対して謙虚になったり、とても些細なことにも感謝するようになりました」

 91年度ミスコリア出身で、その後演技の世界に飛び込んだ全恵珍は、今まで特に長い空白期間もなく演技生活を続けてきた。しかも、今までに1回もマネージャーを雇った事がない。「私のことを必要とする作品でベストを尽くそうという考えなので、特別なスケジュール管理が必要ないんです」

 そのため彼女は『帝国の朝』の野外ロケが行われる聞慶(ムンギョン)まで自分で車を運転して行き、その時間がとても余裕を感じて幸せだという。「あちこちのスケジュールに追われていたら、なかなか感じることができないでしょう。特に望むものはありません。

どこであろうと演技者として生きていければ、それだけで満足です」

チェ・スンヒョン記者
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