「言語・人種を超越した“音”を味わってください」

 音と音楽は言語と人種を超越する。韓国の“音”の本場である全州(チョンジュ)では、昨年から毎年、韓国と世界の音を集めた「全州世界音の祭典」を開催している。

 今年の音の祭典(24~9月2日)を準備している組織委員会の林賑沢(イム・ジンテク/52)総監督は「美しい全州の韓定食のように、韓国の情緒に合った選りすぐりの音の数々を集め、すべての人々が楽しく参加できる音の祭典にしたい」と語った。

 林総監督は東洋(トンヤン)テレビのプロデューサー(PD)出身で、韓国民族芸術人総連合の事務総長と全国民族劇運動協議会の議長を務め、南揚州(ナムヤンジュ)世界野外公演祝祭、洗礼通過儀礼フェスティバルなどの執行委院長を兼任しながら、フェスティバル専門の芸術監督として新たな領域を開拓し続けている。97年には果川(クァチョン)マダン劇(野外劇)フェスティバルを手掛けるなど、マダン劇の第1世代としての活動も続けている。

 「韓国の音を中心に世界中のさまざまな民族や種族の多彩な音を披露します。人間が大自然と同化する音の始源を求めながら、合唱で人類の家族が一つになるはずです」

 監督が企画した今年の音の祭典のテーマは、合唱と未知の音、そして、パンソリ(太鼓を伴奏にして長編の物語を歌うもの)の集中企画だ。24~25日、全州「韓国音文化の殿堂」野外公演場で行われるオープニング公演の『世界の合唱』には、7カ国の老若男女2002人で構成される合唱団が出演する予定だ。監督は「人類の和合と平和を願い、韓国民謡、ニュージーランド・マオリ族の合唱、オペラのアリアなどのあらゆる合唱を全員で、または何組かに分けて歌う」と語った。

 今年2月にこの祭典の組織委員会の2代目総監督に就任した林賑沢総監督は、「全州世界音の祭典」の開催を約20日後に控え、すべてのプログラムの点検を行い、公演準備を陣頭指揮するために、最近はほぼ毎日深夜12時過ぎに帰宅している。

 故・鄭権鎭(チョン・クォンジン)名唱からパンソリ『沈清(シムチョン)歌』の伝授を受けた後『五賊』、『5月の光州』などをパンソリとして創作して歌うなど、音に対しても高い技量と情熱を見せている。

全州=金昌坤(キム・チャンゴン)記者
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