マグサイサイ賞・平和部門で受賞した法輪僧侶

 「この賞は私個人ではなく、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への人道レベルの支援と南北の和解のために努力を惜しまなかった韓国の民間団体に授与されたものと考えます」

 今年、マグサイサイ賞の平和及び国際理解部門の受賞者に輝いた淨土会の指導法師である法輪(ポプリュン/49)僧侶は30日、ボランティア活動家を養成している慶尚(キョンサン)北道・聞慶(ムンギョン)郡・加恩(カウン)邑に位置する浄土修練院で行った記者インタビューで、「半世紀以上に及ぶ紛争地域の韓半島に平和の種を撒き、育てて花咲かせた全ての人々を代表して受賞できて嬉しい」と話した。

 受賞のニュースを聞いたのは先月21日、インド・ムンバイ近郊のある瞑想センターだった。10日間にわたる沈黙瞑想の最終日、マグサイサイ賞委員会からニュースが舞い込んできた。「私自身の内部に是非と葛藤の原因になる渇望と嫌悪の根が残っていることに気付いたため、はじめは賞を受けることにためらいを感じました」。だが、法輪和尚は「北朝鮮の食糧難と北朝鮮難民問題の深刻さをより広く知らせるきっかけになり得ると考え、賞を頂戴することにした」と語った。

 法輪和尚は仏教界の代表的な社会運動家。1988年浄土会と浄土法堂、仏教環境教育院を設立して以来、仏教教育と環境保全の分野で活発な活動を展開した。また、1993年には国際飢餓、疾病、文盲の撲滅機関であるJTSを立ち上げ、第3世界の支援にも力を入れている。今年初めに浄土会の代表を退き、現在インドの貧民層の援助と仏教の中興に専念している。

 法輪僧侶が北朝鮮支援に乗り出したのは1996年の夏。北朝鮮と中国の国境地帯で飢餓ヤに陥っている北朝鮮の子供を直接見てからだった。当時の北朝鮮は相次ぐ大洪水と経済政策の失敗で、住民たちが極度の苦痛を強いられていたが、北朝鮮潜水艇の韓国浸透によって、対北朝鮮経済支援は中断されていた。

 法輪僧侶はプロテスタント、カトリック、円仏教など他の宗教人、民間団体と協力して北朝鮮を援助する一方で『北朝鮮食糧難実態調査報告書』、『北朝鮮難民の実態及び人権報告書』を作成し、国際社会に北朝鮮の実状を伝えることにも尽力してきた。

 「97年4月、中国でトウモロコシ1万トンを購入して、丹銅などから北朝鮮に初めて送った時は本当に感慨無量でした」。法輪僧侶が率いる浄土会は、現在、子供の給食や農業支援を中心に年間約10億ウォン相当の物資を北朝鮮に送っている。

 法輪僧侶は「北朝鮮の住民たちの苦痛が一日でも早く終わるよう、国際社会が北朝鮮に対する人道的支援の拡大と難民保護に積極的な関心を持ってほしい」と語った。

聞慶=李先敏(イ・ソンミン)記者
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