中堅ピアニストの金大鎭(キム・デジン/韓国芸術総合学校教授)氏が、異色のサロン音楽会を開く。『金大鎭の音楽話』と題したコンサートで、計6回の公演ごとに『縁』、『胸のときめき』、『熱情』、『交感』、『同伴』、『プレゼント』などのサブタイトルをつけて聴衆をいざなう。作品の解説とともに演奏する通常の解説付き音楽会とは異なり、音楽にまつわるエピソードなどを交え、悩みながら生きる人生の内幕を打ち明ける舞台だ。
27日午後7時30分から芸術の殿堂リサイタルホールで『縁』と題して開かれる今回のシリーズ初公演で、金氏は音楽に目覚めるきっかけとなったエピソードを披露する。演奏曲も重くて暗い感じの曲はない。『子犬のワルツ』(ショパン)、『エリーゼのために』(ベートーベン)など、誰もが子供のころに慣れ親んだことのある曲から『月光』(ベートーベン)といった曲まで、馴染み深い作品を演奏する。
金氏はベートーベンの協奏曲の全曲演奏会に続き、モーツァルトが残したピアノ協奏曲の全曲(27曲)を2004年までに完奏する舞台をスタートさせた。こうしたアカデミックな試みが熱心な音楽ファンのための舞台なら、今回の『音楽話』シリーズは、最近クラシック音楽に関心を持ち始めた人々のための舞台だ。
「突然クラシック音楽が好きになってアルバムを買い集めて、演奏会に行く人はいないはずです。幼い頃に私がそうだったように、多くの人がクラシック音楽に関心を持つきっかけと経験の場を提供したいです」
普段の生活に追われる社会人のために、今年の12月まで、毎月最終土曜日に開かれるこの音楽会の話題は、金氏自身だ。彼が子供の頃に父親が好んで聴いていたレコードの音楽をピアノで初めて弾いた時の胸のときめき、音楽に没頭して過ごした日々の情熱などを語る。
金氏は「演奏者と聴衆が“人間的に”出会うこうした音楽会を通じて、音楽愛好家がもっと増えてくれればと思う」と語った。
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