17日に公開された『ライターをつけろ』 (チャン・ハンジュン監督)が、今まで不振続きだった韓国映画に再び火をつけることができるか?
ハリウッドのブロックバスター『メン・イン・ブラック2』と『スターウォーズエピソード2/クローンの攻撃』が猛威を振るう中、114ヵ所のスクリーンで公開された韓国アクションコメディー『ライターをつけろ』は、制憲節(憲法記念日)の17日一日で、全国の観客動員数が10万人を突破する善戦を見せた。
同日の『メン・イン・ブラック2』の記録(ソウル8万2000人、全国 19万4803人)には及ばないもの、制作費60億ウォンを投じた韓国映画『アー・ユー・レディ?』が公開3日で全国の観客動員数が4万人にとどまった中、40億ウォンを投じた『ライターをつけろ』が公開初日にしてソウルで3万4000人、全国で計10万1247人を突破したのは驚きに値する。
『ライターをつけろ』は『ガソリンスタンド襲撃事件(日本公開タイトル:アタック・ザ・ガス・ステーション!)』、『新羅の月夜』で有名なシナリオ作家の朴ジョンウの個性がそそのまま生かされている作品だ。
無邪気だが執拗なプー太郎のホ・ボング(金勝友(キム・スンウ)扮す)が300ウォンのライターを取り戻すために、ヤクザのボス、ヤン・チョルゴン(車勝元(チャ・スンウォン)扮す)を追って釜山(プサン)行きの列車に乗り込み、その中で起る騷動を迫力一杯に描いた。ヤクザコメディに食傷ぎみといった感じは拭えないが、複雑にからんだ葛藤構図の中に、メチャクチャな話を愉快に盛り込むことに成功した。
プー太郎とヤクザ、極悪国会議員(朴ヨンギュ)、“ほらふき野郎”(カン・ソンジン)などは、それ自体が韓国社会の一面を見せてくれるキャラクターだ。列車の客室でのシーンは、ソウルから釜山まで一緒に旅しているような気持ちにさせ、社会風刺的な予備軍の訓練シーンは軍隊に行ったことのない女性でも笑える。