11日に開幕して20日まで続く第6回富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭(PiFan)は、世界各国の閃く映画的想像力が互いに衝突し、刺激し合う空間だ。12日、この祝祭の場で、同年代の韓国人監督と日本人監督が会った。『三池崇史特別展』に招かれた日本の注目される“作家主義”監督、三池崇史(42)と、『クワイエット・ファミリー』、『反則王』の金知雲(キム・ジウン/38)監督。
三池監督は主にヤクザの世界を扱いながらも、強烈な暴力と荒唐なユーモアを入り混ぜ、独特な個性を発揮している。三池監督は金監督の『クワイエット・ファミリー』の“強烈なパワー”に惹かれ、これを原作にした『カタクリ家の幸福』というミュージカル映画として昨年リメークした。
金監督もやはり三池監督を好きで、金監督の心理スリラー『メモリーズ』は三池監督のホラー映画『オーディション』を思い浮かばせると言われている。このような縁から、この日の出会いが実現した。両監督は富川のポクサゴル文化センターで約1時間40分にわたって映画について話し合った。
三池崇史=何の予備知識なく、『クワイエット・ファミリー』に接した。デビュー作だと直感した。強烈なパワーが感じられたためだ。あの映画は私にはない特性があった。そのままリメークするのは無理だと思い、ミュージカルにした。
金知雲=自分の好きな三池監督が私の作品をリメークするという話を聞いて、“家門の光栄”だと思った(笑)。後でミュージカル映画にするという話を聞いてびっくりした。その作品を先に観た友人が、「人を殺してから踊っていた」と話してくれた。「さすが三池監督」と思った。『カタクリ家…』を観たら、踊りもあえていい加減なものにして、ブロードウェーミュージカルを嘲笑っているような印象を受けた。とにかく、始終私を驚かせた。
三池監督に聞きたいことがある。1年に6~7作品もの映画を作り出す怪力の源泉は何か。一体、一日何時間寝るのか。
三池=私は作品の依頼を受けると、今やっている作品がない限り、全て受け入れる。だから、たくさんの作品をやるようになる。寝るのは、場所を選ばず寝ている。ひどい時は、カメラレンズを見入りながら寝ることもある(笑)。眠ってハッと目がさめる時、良いアイデアやイメージが浮かぶ。カネや時間が充分であれば、かえって作品ができないはずだ。私は限界の状況を楽しむタイプだ。
金=あなたはフィリピンやタイ、香港などで合作映画を作るなど、主に日本以外で作業をする。特別な理由があるのか。
三池=日本映画は既にパワーを失った。スタッフたちは映画に対する明確な夢を持たず、機械的に作業するだけだ。人材も流入されない。だから、他の国のスタッフや俳優と一緒に仕事しながら、私が失っている映画的夢を探すことができて嬉しかった。また、海外で映画を作ると、互いに言葉が通じないから、あまり話をしなくてもいいというメリットがある(笑)。
(両監督が一緒に作業をする計画はあるか、記者らが聞いた)
三池=大きな予算がなくても、体力や気力が必要な作品を一緒に作れることを期待している。
金=『スリー』の経験を通じて外国の監督と一緒に働くことが予想以上に難しく、疲れることだというのが分かった。三池監督と一緒に作業できるよう、体力を補充しなければ(笑)。