“カバーソング・ブーム”の元祖、歌手のチョ・グァンウが再び本格的なカバーアルバム『マイメモリーズ2』をリリースした。チョ・グァンウという名前を聞いて真っ先に思い浮かぶのは、やはり“カバーソング”だ。彼は1994年、声楽のカウンターテナーのように甲高いハイトーンボーカルでデビュー曲『沼』を歌い、一気にスターダムにのし上がった。
しかし、スターとしての不動の地位を固めたのは、その翌年にカバーアルバム『マイメモリーズ』をリリースしてからだった。『花園で』(鄭薫姫(チョン・フンヒ))、『貴方は遠くに』(金秋子(キム・チュジャ))などの曲を、彼特有の中性的なボイストーンで歌った2ndアルバムは、200万枚以上のセールスを記録し、その後の“カバーソングブーム”に火を付けた。
このアルバムではオリジナル曲の『砂の城』も高い人気を得たが、影に隠れてしまった。その後、宋昌植(ソン・チャンシク)の『一度くらい』(4th)、鄭薫姫の『霧』(5th)、崔良淑(チェ・ヤンスク)の『秋の手紙』(6th)まで、アルバム毎に欠かさずカバーソングを収録し、昨年には林姫淑(イム・ヒスク)の『本当に私は知らなかった』をドラマ『その女の家』主題曲としてカバーし、ヒットを飛ばした。
「おかしなことに、アルバム毎にオリジナル曲よりもカバー曲のほうが反応が良かったんです。親しみのある歌を新たに再解釈して歌う私のスタイルが、大衆の感覚に合うようです。早いもので、今回で7枚目のアルバムになりましたが、そんなファンの皆さんのためのサービスとでもいいましょうか、今回のアルバムは最初からカバー曲メインで企画しましたv
『マイメモリーズ2』というタイトルからして、このアルバムが2ndアルバムの『マイメモリーズ』の続編というのは明らかだ。全14曲の中でオリジナル曲は『たとえ』、『切なさ目立つ涙』、『ビハイド・ユー』の3曲だけだ。
「すでに歌われた歌を再び歌うわけだから、オリジナル曲より楽だろうと言う人もいますが、正反対です。原曲にあまり似ていてもだめで、だからといってまったく違ってしまってもだめなんですよ。近頃のファンの感受性は、カバーソングが過去にヒットした時とはまったく違います」としながら、「原曲のイメージが強烈だったり、現代の感覚で再解釈する余地のある曲でなければ、リメークしにくい」と話した。
チョ・グァンウは「入れ替わりの激しい最近の歌とは違い、余裕を持って楽しむことができるでしょう。次回のアルバムではブルースをもう少し深く掘り下げてみたい」と明らかにした。