韓国語アルバムを韓日で同時リリースしたチョナン・カンさん

 「チョヌン チグム ハングゴルル ペウゴ イッスムニダ(僕は今、韓国語を習っています)。チョンマル ヨルシミ ハゲッスムニダ(本当に一生懸命がんばります)」

 3日午後、論峴(ノンヒョン)洞のKMTVスタジオ。日本と韓国で韓国語歌詞のアルバム『愛の唄~チョンマル サランヘヨ~』を同時発売して話題を集めている日本の人気グループSMAPのメンバー、チョナン・カン(日本名・草なぎ剛/28)さんは、最初のあいさつを韓国語で切り出した。

 5人組グループSMAPは、日本の代表的な“国民的スター”だ。歌に限らずバラエティー、ドラマ、映画の主役、CMに至るまで、様々な分野で活動しているSMAPのメンバーは、この10年欠かさず芸能誌の新年号の表紙を飾っている。SMAPが進行するバラエティー「SMAP×SMAP」は、ここ数年総合視聴率ランキング1位に君臨している。

 チョナン・カンさんも現在、NHK、テレビ朝日、フジテレビやラジオなどで10本のレギュラー番組を持つ人気スターだ。それほど日本の大衆に影響力を持つ歌手が日本で韓国語の歌を発売したのは、韓日の大衆文化交流の流れにかなりの波紋をもたらす“事件”だった。日本で先月26日発売されたアルバムは、発売1週間で10万枚をセールスし、韓国では10日にリリースされる。

―チョナン・カンさんのようなトップスターが日本で韓国語のアルバムを出したのは、象徴的な意味が大きいと思いますが。

「1年半ほど前、映画『シュリ』を見てから韓国に関心を持つようになり、韓国語も勉強しました。ワールドカップ(W杯)共催を前に『近くて遠い国』の韓国と日本が、何か一緒にできることはないかと考えるようにもなって。そんな時にフジテレビで韓国を紹介する番組を持つことになり、韓国語のアルバム作りに挑戦しました」


―韓国の芸能市場は日本とは比較にならない。金銭的な利益は期待できないと思いますが。

「お金を稼ぐつもりだったらやってません。韓国でも中国でも日本でも、基本的に人に対する関心があったからだろうと思います。特に韓国は身近な国じゃないですか」

―日本では韓国や韓国文化に対する関心があまり高くなかったと思いますが。

「今は違いますよ。W杯の影響もありますが、それより新しい世代が登場したためだと思います。人気のある芸能人の中にも、韓国に関心を持ち、韓国に進出してみようと考えている人はけっこういます。

 ファンレターを韓国語で書いて送ってくる日本のファンも多いですね。韓国語講座の学生も増えたという話もあるとかないとか。僕も少しは貢献したのではないかと思うと、うれしい限りです」

―チョナン・カンさんは韓国に特別関心を持つ“親韓派”として有名だとか。

「なぜか情がわくんですよ。市場で屋台のおばさんや商人のおじさんを見ると、どうしてこんなに情を感じるのか不思議です。市場の外の街はとても華やかで現代的なのに、すぐ隣りにはこういうところがあって…。韓国はアナログとデジタルが見事に調和しているところですね」

―韓国の歌もいろいろ聞いたでしょうが、両国の歌で一番違うものはなんでしょう。

「韓国の歌は心を打つものがあります。日本の歌はそういうのは少ないですが、その代わり企画がしっかりしているのが強みでしょう。アルバム1枚出すのに2、3年じっくり準備しますから」

―韓国ではいまだに日本語の歌が開放されていません。

「悲しいですね。早く開放してほしいという思いもありますが、いろいろな障害があり、そう簡単ではないということは理解できます。それだけに開放されたら喜びはひとしおでしょうね」

 チョナン・カンさんはインタビューの間中、礼儀正しく両手を組み、背筋を伸ばして座り、真摯な態度で答えた。途中の簡単な表現は韓国語を混ぜて答えようとした。

 「韓国でどの程度の成功を期待しているか」と問うと、「タンジャンエ ソンクァ ボダヌン(目先の成果より)ネガ ハングンペンドゥレゲ オルマナ カッカイ カゴ シッポハヌンジ(僕がどれだけ韓国のファンと親しくなりたいかを) ハングンペンドゥリ アラジュミョン チョッケッタ(韓国の人が分かってくれたらうれしい)」と韓国語でたどたどしく答えた。「ここでは僕も新人ですから。がんばりますから応援してください」 。

権赫鐘(イ・ヒョクチョン)記者 , 李ギュヒョン記者
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