「ダンス、音楽、人生…やっと少し分かったような気がする」

 “ダンシングクイーン”金完善(キム・ワンソン/33)が帰って来た。1996年リリースのアルバム『私だけのもの』以来、約6年ぶりのカムバックだ。金完善は韓国歌謡界の“女性ダンス歌手”の元祖だ。1986年、弱冠17歳の時に『今夜』でデビューした金完善は、当時としては大胆なダンスと衣裳で衝撃を与え、一気にスターダムにのし上がった。

 “韓国のマドンナ”と呼ばれ、『哀愁』、『ピエロは私たちを見て笑う』といったヒットを飛ばした彼女は、1992年突然台湾へ舞台を移した。そして4年後に帰国したが、翌年再び活動を中断してしまった。

―今までどのように過ごしてきましたか?

「デビュー以降、一度も休むことができなかったじゃないですか。30歳を目前にして、今後どうやって生きていき、どんな音楽をやろうかと考えてみたかったんです」

―それにしても空白期間が非常に長かったように思いますが。

「ここまで長くなるとは思いませんでした。旅行をしたり、英会話学校にも通って、新人のアルバムを制作して失敗もしました…。あっという間に2年、3年と過ぎてしまって…。ニューアルバムは昨年から準備をはじめました」

―再びステージに立ちたいという欲求があったのでは?

「もちろんありました。でも、目的もなしに漠然と適当にはやりたくありませんでした」

―金完善さんは韓国で本格的なダンスミュージックを初めて取り入れた女性歌手ですが、それが逆にプレッシャーになったりもしませんか。

「そうだとしても、敢えて気にしないようにしています。ニューアルバムを出すたびにそうだったように、初心に戻ってやりたいと思います」

―久しぶりのアルバムリリースで若手歌手たちとの競合がプレッシャーになると思いますが。

「歳の差が1つや2つならまだしも、はなから諦めましたね(笑)。私は自分が歳を取っているとは思わないんです。若かったころは何も分からなくて、ただ興味本位でしたが、これからは音楽にしても、ダンスにしても、人生にしても、すべてをしっかり把握して表現する歳だと思います。海外の歌手を見ても私くらいの歳だったら、一番活発に活動している時期じゃないですか」

―今回のアルバムではどんな音楽を聴かせてくれるのでしょうか。

「世界的な流れはヨーロッパテイストのテクノミュージックじゃないでしょうか。タイトル曲の『S』は、サイケデリックなトランスです。弘益(ホンイク)大前のクラブでもかかっているようなオリジナルテクノですよ。シンプルでおしゃれなファンク、ハウス、バラードを取り入れ、『哀愁』、『仮装舞踏会』、『ピエロ…』など、過去のヒット曲をカバーしたボーナスCDも付録にしました」

―華麗なダンスを期待してもいいでしょうか?

「曲自体のテンポの変化が激しいです。単純なダンスというよりは強烈なパフォーマンスといった感じがするでしょうね」

 来週末にリリースされるアルバムは台湾でも同時リリースされる予定だ。金完善はこれに先立って7日、『SBS人気歌謡』でカムバックを果たす。金完善はインタビューを終え、席を立つ前にこう話した。

 「たくさんの方々が『金完善だからこうじゃなきゃ』、『こうするはずだ』といった先入観なしに音楽を聴いて、ステージを見てくれたらと思います。

私も初めて音楽を始めるという気持ちで頑張りますので」

権赫鐘(クォン・ヒョクチョン)記者
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