そっと触れただけで貝殻の中にスッと隠れてしまう生きた貝。海水をたっぷり含んだ貝を一番美味しく食べる方法は何の味付けもせずに焼くことだ。
赤ん坊の頭程もある12歳のオオノガイや、女性の腕くらいはあると思われるタイラギをはじめ、一番美味しいとされている4歳のハマグリまで、様々な貝を味わえる店がここ「三多島」だ。
店の名の通り、海辺に行かなくても新鮮な潮の香りを嗅ぐことができるソウルの中の小さな済州(チェジュ)島のような店だ(済州島は風と石と女が多いということから三多島とも呼ばれている)。
ハマグリは扶安(プアン)、オオノガイは麗水(ヨス)から取り寄せるなど、すべての貝は全国各地から毎日直送されたものを使っている。ランチタイムの特別メニューはピリッとした辛さで食欲を刺激するタチウオの煮込み。済州島から毎朝送られてくるピチピチのタチウオをあっさりと調理する。
付け合わせとして、ゴマで和えたナムル(野菜の和え物)、ニラを使った韓国風お好み焼き、茹でたタコとサザエ、手作りのチャンアチ(大根やニンニクなどを味噌や醤油に漬けたもの)など、10種類あまりの全羅(チョンラ)南道式のおかずが出て来る。黒米を使ったご飯は食卓の上の釜で炊いてくれる。
問い合わせ:(02)725-2409