「ナムウォン チュオタン(ドジョウ汁)」

ソウル・内鉢山(ネバルサン)洞「ナムウォン チュオタン(ドジョウ汁)」

 栄養満点であると分かっていても食べられない人の多いチュオタン(ドジョウ汁)。よく考えてみれば、単に魚を煮込んだスープなのだが、何といっても食欲が失せてしまうようなドジョウの外見と特有の匂いのためについ避けてしまいがちだ。

 「ナムォン チュオタン」はチュオタン(6000ウォン)は絶対口にしなかったという人でも“初体験”した後からは常連になってしまうという店だ。

 店によってこってりとした汁を、あるいは辛さを、あるいはあっさりさを自慢にしているが、この店はその香ばしさを自慢として挙げている。牛の骨などでスープをとった後、そこにドジョウを加えて味を出す店もあるが、この店では「チュオタンにドジョウ以外のものを入れると味を落とす」というモットーのもと、他の材料は一切交ぜない。

 ドジョウは国産のものだけを使っている。最近は中国産が多いため、全羅(チョンラ)北道・扶安(プアン)の養殖場から一週間に1回ずつ社長が直接取り寄せている。厨房も朴ミョンスク社長が仕切っており、朝6時からすべての調理を1人で賄っているため、その作り方は夫さえも知らないという。

 ドジョウの内蔵と骨の匂いを中和させ、辛さを出すために使っているのは漢方薬として使用されているチェムピ。山椒よりも香りが強く、生臭さをきれいに消してしまうということ。チュオタンに欠かせないのはシレギ(乾かした白菜など)だが、この店ではシレギの代わりに大根の葉をたっぷり入れ、新鮮な味わいを出している。

大根の葉は一山(イルサン)の農家から仕入れたものを急冷して使っている。つけ合わせとして出される白菜や大根のキムチは全北・扶安の辺山(ピョンサン)半島にある小さなコムソという港町で社長の兄が直接作った塩辛を使って漬けたもので、これもまた格別な美味しさだ。

(02)661-6580

スポーc朝鮮/李ヨンジュ記者
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