「韓国人の米国移民100周年を迎える来年、韓民族を象徴する白い布地で覆った列車で米国大陸5500キロを横断します。広大な大地をキャンバスに見立て、大陸横断鉄道(アムトラック)を筆にして、5500キロの超大型ドローイングを描くつもりです」
95年のベニスビエンナーレ特別賞を受賞した作家・全寿千(チョン・スチョン)氏が野心的に準備してきた超大型プロジェクト『2003アムトラック-全寿千の動くドローイング』が長年の準備の末に、具体的な日程と実行計画を定めた。
5月に米国現地を踏査して帰国した全氏は12日午前、文化界関係者の集いである「光化門(クァンファムン)フォーラム」の朝食会に演説者として参加し、「アムトラック(米国鉄道旅客輸送公社)と列車賃貸契約を結び、来年5月10日ニューヨークを出発することで最終決定した」と明らかにした。韓国政府(文化観光部)もこのプロジェクトを後援する。
『2003アムトラック』プロジェクトは、韓民族を象徴する白い布地で覆った列車で米国大陸を横断するイベント。ニューヨークを出発しワシントン、シカゴ、カンザスシティーなどを経由して、19日ロサンゼルスに到着する計画だ。機関車を含む11両編成で、350メートルに及ぶアムトラックの車両を全て貸し切るこのプロジェクトは、予算30億ウォン以上に上る。
汽車に被せる白い布地はデュポン社が4ヵ月あまりの実験を経て特殊製作した。列車が走る間、空からはヘリコプターが一緒に移動しながら大陸横断の全過程をビデオに収め、プロジェクト終了後にドキュメンタリーとして制作する予定だ。国内の観覧客も150人程度募集する予定。
「単純に列車だけが走るイベントではありません。列車内では世界的な大学者らが乗車し、文化や芸術、環境問題、ライフサイエンスなどをテーマに討論し、中間の経由地では、太鼓や大琴などの公演を行って、韓国文化を総体的に広める予定です」
このプロジェクトは当初、2001年5月に行われる予定だった。しかし通貨危機の影響を受け、予算の準備が困難となったため2年延期された。全氏は「数社の大手企業と予算サポートの問題を協議中だが、肯定的な反応を得ている」とし、「米国のど真ん中に韓民族の情緒とアイデンティティーを伝える今回のプロジェクトで、韓国芸術の優秀性を世界に伝える」と力強く語った。