フェミニストのための季刊誌『IF』の朴玉姫(パク・オクヒ)社長と朴ミラ副社長の二人には全く“ファイター”の雰囲気はない。約1時間の間、互いに向き合いながら話している間も二人は何がそんなに面白いのか、終始笑いが絶えなかった。
しかし二人は韓国の主流を占める“常識”に対して挑戦状を突きつけ、熱い議論を交わしてきた。最近出版された夏号で創刊5年目を迎えた『IF』は、非主流の定期刊行物としては珍しく、昨年から黒字を記録しはじめた。女性を商品化するという理由でミスコリア大会に対してその是非を問い、「アンチミスコリア」を推し進めてきた彼女たちは、ついに今年からミスコリア大会のテレビ中継を中断に追い込んだ。
女性の性的欲望を扱った特集で、最近ある男性著作家と激しい“フェミニスト論争”を巻き起こしている。このようにある論争に勝利したものもあるが、現在進行形のものある。女性問題、フェミニストの主張を「女性学」とい学問の“殿堂”の外に導き出し、日常の身近な問題として人々に印象付けるのに成功した。
「私たちのモットーは『笑おう、騒ごう、遊ぼう』です。怒鳴り散らして相手を脅すようなことは私たちのスタイルではありません。難しい言葉も必要ありません」。「フェミニストが特別なものでしょうか。自分が女性ということや、女性であるために特別な圧迫を受けたというアイデンティティーの自覚さえあれば、誰もがフェミニストなのです」
問題は創刊号から生じた。5年前に創刊号を出版した当時、『男性知識人のセクシャルハラスメント』という挑発的なテーマで『IF』の性格を強烈にアピールした。「まだ批判よりは助け合いや支持が必要な知識社会に対する“分裂助長”ではないかという批判も相次ぎました。しかし、社会が発展しても女性問題が自然に消えるという訳ではないのです。誰かが既存の命題を拒絶してはじめて問題の解決が始まるのです」。
そして、これらの問題提起は数年後「運動界のセクハラ」を告発する女性100人の署名によって日の光を見た。姦通罪を無くさなければならないという主張も他のフェミニスト団体から批判されたりもしたが、女性の人権問題を他の視点から見なければならないという同意を導き出すことに成功した。
時代の変化に伴う女性問題として他に何が挙げられるだろうか。「家族形態の変化と若者達の同棲文化、それらが女性に及ぼす特別な影響力といったことに関心があります」。最近の20代は“未婚”という言葉の代わりに“非婚”という言葉を使うという朴社長は、「保守的な視点から見れば性的な乱れだが、当事者である若者達は生き方の一つとして捉えていると思う」としながら、「しかし、過去に対する責任を女性だけに課す場合はそれが女性問題になる」と語る。
まもなく出版する『お父さんの育児日記』をはじめ、女性問題をさまざまな素材で扱った本を出版することも二人の重要な役割だ。本と文章を通じて女性問題に対する認識を広げ、実践的な方案を模索し続けることが目標だ。