任昌丁「ボンパルと一緒に追憶の中へ旅立とう」

 「純粋だったあの頃へご招待します」

 “歌う俳優” 任昌丁(イム・チャンジョン)が微かな記憶を探す旅に出た。

 1980年代、江北(カンブク/漢(ハン)江より北側の地域)最高の美人「ポンジャ」を救うために、ディスコ王に挑戦する貧民街の若者たちの青春をコミカルに描いた映画『海賊、ディスコ王になる』(監督:金ドンウォン/制作:企画時代)。任昌丁は6日に公開されるこの映画で、知的能力は落ちるが純粋な「ボンパル」を熱演、観客を20年前にタイムスリップさせる。

 「ボンパルという人物にはf朴さと情があります。また、誰にでもボンパルのような保護本能を刺激する、幼い頃の友たちが1人くらいはいるじゃないですか?友たち同士の友情もそうですしね」

 ボンパルをはじめ海賊(イ・ジョンジン)、ソンギ(ヤン・ドングン)の3銃士は、高校生の身分でありながら酒を飲み、たばこを吸い、喧華に明け暮れる“問題児”。しかし、任昌丁は「やさしい心の持ち主であるため、親しみを感じられるはず」と語る。

 これに加えて、最近の韓国映画ではすっかりお馴染みとなってしまっては観客たちの耳を刺激している“罵り言葉”が、登場人物の3銃士はもちろん、彼らをいじめる遊興街のチンピラたちの台詞からも殆ど出て来ないということも長所として挙げられる。李大根(イ・デグン)、金インムン、アン・ソクファン、金ヨンエなど中堅俳優たちの熱演もやはり『海賊、ディスコ王になる』の完成度を高める要因だ。

 この映画で俳優として“肩の力を抜く”ことを学んだのが任昌丁としては大きな収穫。当初、任昌丁はタイトルロールの「海賊」のオファーを受けたが、もう少しルックスが良くて格好いい人がやらなければと思い、自らボンパル役を選んだという。そのお陰か、任昌丁は試写会で「助演だが主演よりも輝いている」、「演技にパワーが感じられる」といった評価をされた。一日に1本の割合でシナリオが入って来るほど、忠武路(チュンムロ/韓国映画の中心地)からのラブコールも殺到している。

 しかし、その全てが“お笑い”役というのが問題。「できれば次回は軽いイメージのキャラクターではなく、真剣なキャラクターを演じてみたいです」。任昌丁はまたの変身を夢見る。

スポーツ朝鮮/金ホヨン記者
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