味よりも美味しい表現で人気の料理番組

 時々、テレビデビューをしたが、ラジオで人気を集めるタレントがいる。崔化精(チェ・ファジョン)がまさにそのケースだ。テレビでは常に脇役を演じていたが、ラジオ番組のパーソナリティーを務めるようになってからは、ファンを順調に増やしていった。それに加え、崔化精は芸能界でも噂の食通で、彼が司会を務めるケーブルテレビの料理専門チャンネル「フードチャンネル」の『フードチャンネル・ソンマッ(手の味)シリーズ』(月~金午後3時)は、内容と司会者の相性がぴったりと合った番組といえる。

 『ソンマッシリーズ』は特別な料理ではなく、一般の家庭で料理して食べられるものを“もう少しだけ美味しく”作る方法を紹介する。すでに冷蔵庫にあるものや、手に入れ易い材料を使い、夕食メニューの定番に“ワンポイント”を与えるといったものだ。キムチ鍋ひとつとっても、視聴者が作る方法と専門家が作る方法を比べることができ、人気を集めている。

 ところが、やはり料理番組は司会者の話術にその勝敗がかかっている。トークの上手い人も“味”を表現豊かに説明するのはそう簡単ではない。普段使うような“味”を表現する形容詞はせいぜい「甘酸っぱい」や「やや甘い」といった程度だからだ。

 しかし崔化精は形容詞よりも比喩を多用し、その味を豊かに表現する。彼の話し方はこんな感じだ。ウ・ヨンヒ氏が作った三枚肉のキムチ鍋を1さじ口にしてこうコメントする。「この味は普段“男の子”だと思っていた人が“男”になって現れた時のような味です。平凡だと思っていたキムチ鍋がこんなに美味しいなんて…」

 この番組の企画者である李ボムジュンプロデューサー(PD)は「崔化精氏の熟練した司会テクニックが番組に生命を吹き込んでいる」と誉めた。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者
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