「サッカーの韓国代表が日増しに強くなっていますね。国際サッカー連盟(FIFA)ランキング1位のフランスも、私が現地で見た限り、更に強くなっています。このような(ワールドカップ(W杯))舞台であるほど、私たちが日本にだけ勝てばいいと思う考えは捨てるべきだと思います。既に、グラウンドは世界ですから」
鄭明勳(チョン・ミョンフン)氏が音楽監督を受け持ち、“チーム”を率いる「7人の音楽会」の舞台も世界だ。世界の舞台で各自の独奏でもってトップの実力と人気を誇る演奏者たちが一堂に会した。独奏者として“個人芸”を披露してきた彼らが、今回は個人芸よりは互いのチームワークで織り成す室内楽アンサンブルを披露する。鄭明勳氏も指揮棒を握るのではなく、ピアノ演奏者として参加する。
この“セブンスター”の舞台に参加する“選手”たちは、イェフィム・ブロンフマン(ピアノ)、シュロモ・ミンツとダイシン・カジモト(バイオリン)、ミッシャ・マイスキーとチョ・ヨンチャン(チェロ)、ユリ・バシュメット(ビオラ)、そして鄭明勳。
“ビオラの王様”(ユリ・バシュメット)、“バイオリンの詩人”(シュロモ・ミンツ)など、各自のポジションで最高といわれているスター演奏者が韓日共催のW杯に合わせ、韓国と日本を行き来しながら演奏を行う。韓国では6月11日午後7時半から世宗(セジョン)文化会館、12日午後7時半から水原(スウォン)の京畿(キョンギ)道文化芸術会館で公演する。
日本では浜松(14日)、東京(15日)、福岡(17日)で演奏する。演奏曲はドビュッシーの『チェロ・ソナタ』、ショスタコ ーヴィチの『ピアノ三重奏第2番』、ブラームスの『ピアノ五重奏』など。
「音楽がサッカーチームと違うのは、メンバーたちが初めて顔を合わせてもよく理解し、アンサンブルを組めるということでしょう。みんなが一緒になった時、何が生まれるかは分からないけれど…。面白いと思います」
7人の音楽会は今年で6回目を迎える。光復(日本の植民支配から開放されたことを意味)50周年の時、“国内スター7人”から始まり、今年“ワールドスター7人”に拡大された。
「過去は外国を学習の対象と考えていたのですが、もはや韓国は外国でワールドパートナーになりました。スポーツも経済も“同伴者”として世界舞台に立てる国に成長したのです。音楽も同じです。子供たちが外国に留学しなくても韓国で充分に学ぶことができる…。40年間成し遂げた発展ぶりは本当にすばらしいと思います」
鄭明勳氏は7月、日本で初めてのオペラの指揮も取る。東京・新国立劇場で公演されるプッチーニの『蝶々夫人』。日本公式のW杯文化行事で、2カ月前売り出したチケットは販売4時間で売りきれた。
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