一重まぶたの細い目と童顔の細長い顔。チョ・スンウ(22)はいわゆる“映画俳優の顔”ではない。しかし、ソフトな微笑みで林權澤(イム・グォンテク)監督の『春香伝』で溌剌とした李夢龍(イ・モンリョン)役を演じた彼が、今度は“青春ラブストーリー”の主人公となって帰ってきた。
新作映画『フー・アー・ユー』(チェ・ホ監督/24日公開)で李ナヨンとインターネットのアバタ(ユーザーの分身キャラクター)・ゲームを通じて知り合い、感覚的なラブストーリーを繰り広げる主人公、ジ・ヒョンテ役だ。
チョ・スンウ扮するヒョンテは、24時間パソコンとともに生活するゲームプロデューサー。 63ビルの1つのフロアーを貸しきって撮影をする間ずっと、彼は「シャワーも浴びれず、ロケ現場で倒れて寝て…。本当にベンチャー企業の社員になったようだった」と語った。ところが意外にも彼の口から「実は私のパソコンの実力は全くの素人レベル…」と言う言葉が飛び出した。
「シナリオを初めて見た時『アバタって何?』というレベルだった。今でもメールを送ろうとすれば何時間もかかるくらい。でも撮影をしながらだいぶ覚えました」
映画の中でチョ・スンウは、インジュ(李ナヨン)をしきりに怒らせる嫌味なゲームプロデューサー“ヒョンテ”であると同時に、ゲームの中ではインジュの心を一番よく分かってくれるロマンチックなアバタ“メロ”となる。チョ・スンウの実際の姿はどちらだろうか?
「私はもともと『恋人までの距離(ディスタンス)』のような、ソフトな感じのラブストーリーが好きなんです。どちらかと言えば映画の中の“メロ”に近いと思う。父(70年代の人気歌手チョ・ギョンス氏)が米国にいた間、母と姉の3人暮らしでしたから、女性の感性には慣れているんです。ところが最近では“ヒョンテ”のスタイルに変わってきているようです」
最近でも街中を歩いていてチョ・スンウに声をかける人は多くない。しかしミュージカル界でのチョ・スンウは『義兄弟』、『明成皇后』などで演技力と歌唱力を認められた若手スターだ。今回の映画『フー・アー・ユー』でも、アコースティックギターを弾いて、インジュに歌を歌ってあげるシーンでは素晴らしい歌唱力を披露、女性客をうっとりさせている。チョ・スンウは「高校2年生の時から部屋に防音壁を設置して歌の演習をした」と目を輝かした。
チョ・スンウは子供の時からやりたかったことも、自分にやれることも“演技”だけだったと言う。観客から常に「この俳優、今度はどんな演技を見せてくれるだろう」と思われるような俳優になりたいというのが、今の彼の夢だ。「そう言われるまでは、音楽の勉強もしっかりして、楽器も何か一つマスターしなければ。
一生、映画とミュージカルをやれたらなと思います」