『ギャグコンサート』の原動力はチームワークとアイデア

 「それでは、公演をスタートします。携帯電話の電源は全てオフにして下さい。あ!でも016、018、019を持っている人はそのままでもOKですよ。地下劇場なのでPCSは絶対に電波が届きませんから…」

 今月16日の晩、『ギャグコンサート-ペコブペリア』を公演中の大学路(テハンロ)・創造小劇場。公演に先立ち雰囲気作りをする“末っ子”の金ジンチョル(23)が騒がしい観客たちを静かにさせた。続いて朴ジュンヒョン(29)、李スンファン(28)、チョン・ジョンチョル(25)の3人から成る「カルガリ三兄弟」が登場した。マシンガンのようにギャグを連発すると120席の小劇場は爆笑の嵐と拍手で包まれた。




 ブラウン管と劇場の両方で『ギャグコンサート』が最高の人気を得ている。日曜日の晩に放送しているKBS第2テレビの 『ギャグコンサート』(ヤン・ギソン演出)は、今月12日の放送で27.4%の視聴率を記録(ニルソンコリア集計)、週刊総合視聴率の2位にランクアップした。今まで8~10位だった『ギャグコンサート』は、先月末4位にランクインして以来、視聴率1位のSBS大河ドラマ『女人天下』(30.2%)との視聴率の差を3%にまで縮めるなど、王座奪取は目前だ。

 観客が10人集まれば十分という大学路で、『ギャグコンサート』はこの界隈では唯一の“行列のできる”公演だ。『ギャグコンサート』という名前を付けた公演だけでも現在3つを数える。

 コメディーアートホールの『ギャグコンサート』は “元祖” の看板を掲げ、シム・ヒョンソプ、ファン・スンファン、朴ソンホなどの『ギャグコンサート』の古株たちは週末毎に『全国ツアーギャグコンサート』公演を行っている。『ギャグコンサート』で人気を得たギャグのフレーズの数々は、ほとんど広告などに使われている。「カルガリ三兄弟」は現在公演中の劇場を完全に買収し、今月末からは「カルガリホール」に名前を変える。

 『ギャグコンサート』はトークショーやバラエティーショーなどに押され、消滅の危機に瀕していたテレビコメディーを復活させた主人公だ。シン・ドンヨプ、李敬揆(イ・ギョンギュ)、ナム・ヒソクなどのいわゆる“トップレベルのコメディアン”は1人も出演せず、視聴者に笑いを強要するような字幕も一切表示しないにもかかわらず、バラエティ番組界を制した。



 『ギャグコンサート』の成功はチームワークとアイディア、練習の成果だと思われる。『ギャグコンサート』の出演者は1週間毎日顔をつき合わせ、会議と練習を繰り返す。作家が書いたシナリオにコメディアンが適当にアドリブを交ぜるトークショーやバラエティーショーが、競争相手になれる訳もない。何といっても練習量が多く、毎週月曜日の公開録画ではNGもほとんど出ず、実際の公演のように進行する。

 また、“完全競争体制”を導入し、番組を10コーナーに分け、コーナー同士で争うようにしたのも『ギャグコンサート』の人気を支える要素だ。反応が良くなかったコーナーはすぐに次週から消える。KBSのギョン・ミョンチョル芸能局長は「具鳳書(グ・ボンソ)、ベ・サムリョン氏の時代には、後輩が先輩を押し退けて出演するようなことはできなかったが、最近では実力さえあれば誰でも『ギャグコンサート』にレギュラー出演できるようにしている」と語った。

 『ギャグコンサート』は芸能プロデューサー(PD)の間でも高い評価を受けている。SBSのある芸能PDは「視聴者がまるで劇場にいるかのように感じさせるのが『ギャグコンサート』の最大の強み」としながら「視聴率と内容ともに賞賛に値する“非常に良く作られた番組”」と語った。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者
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