「まだ28歳なのに、もう9thアルバムって言うと、何だかだいぶ歳を取っているみたいじゃないですか。それで、わざとアルバムのタイトルにも“9th”と言う表現を使わなかったんです」
先週、ニューアルバム『CJ2002』をリリースした任昌丁(イム・チャンジョン)のパワーは本当に凄い。今回のニューアルバムは8thアルバム『ディファレントカラー』のリリース以来9ヵ月ぶりで、しかも8thアルバムも7thアルバムからたった8ヵ月という短期間でのリリースだった。わずか17ヵ月の間に3枚のアルバムをリリースした「多作家」というわけだ。
歌手活動だけではない。アルバムをリリースするたびに映画にも出演した。今回も6月に公開される金ドンウォン監督のアクションコメディ映画『海賊ディスコ王になる』のロケを昨年12月から行ってきた。歌を選んだり、練習したり、レコーディングをしたかと思えば、映画を撮り…昨年末から先月まで昼、夜関係なくフルで活動してきた。
「体質みたいなものです。私の周りでも『とてもそんな真似はできない』と言う人も多いですが、私はむしろ忙しければ忙しいほど、さらに力が湧いてくるようです。昼、夜関係なしにロケ現場とレコーディングスタジオを行き来しながらも、暇を作っては運動をして、ない仕事でも作ってしまえば楽しいものですよ」
力と意欲があるからといって誰もが多作できるわけではない。下手をすればファンに飽きられ、タレントや歌手生命を脅かす自殺行為になりかねないからだ。ところが任昌丁は『アゲイン』『星になって』『ラブアフェア』『ホワイト』『僕に似た君』はもちろん8thアルバムの『待っている理由』に至るまで、アルバムリリースごとに50万~70万枚を売り上げた。ただ騒がしい歌とは違い、リラックスさせて感性を刺激する独特の魅力のためだ。
今回のアルバムでも弦楽とピアノ伴奏でソフトなメロディを活かしたバラード『悲しい独り言』をタイトル曲にし、ポップスタイルの『天気雨』など10曲を収録、前作よりいっそう自然で淡白な感じだ。映画『ニュー・シネマ・パラダイス』のトトのテーマを挿入したR&B・ヒップホップスタイルの自作曲『ノー・チョイス』は英語で歌った。
任昌丁は「私の歌はキーが高くて歌いにくいという話をよく聞きますが、今回のアルバムの曲はカラオケでも十分に歌えます」といたずらっぽく笑った。