花の美青年から熱血男児に変身した宋承憲

 ドラマやCMを通じて多くの女性の視線を釘付けにした“魅力的な男”宋承憲(ソン・スンホン)が新作映画『ひとまず走れ』(チョ・イソク監督/10日公開)でイメージチェンジを図る。

 早期留学をしたものの事故を起こして帰国した21歳の老けた高校生役を演じる。タバコを常に吸い、口が悪く、車のエアバッグが本当に膨らむのか証明しようと漢江(ハンガン)の河川敷で橋に突っ込んで見せるなど“猟奇的な”熱血男児だ。映画の中では“傲慢な奴”と呼ばれる。

 「大雑把で他人の目を気にしないキャラクターが気に入りました。他人が何と言おうと自分のやりたいままに行動するのが痛快に思えたんです」

 宋承憲は3年前に出演した『カラー』以来2作目の映画出演となる。『カラー』では熱演を見せたが、興行面では失敗に終わっただけに、今回の作品にかける期待は格別だ。その本人と、同級生役を演じたクォン・サンウ、監督の3人全員が1976年生まれの同じ年のため、息がぴったり合ったという。

 「現場のスタッフたちも1969年生まれが最年長というくらい、若いスタッフ一色でした。溌剌とスピーディな映画を目指しましたが、観客がどのように受け入れるかが気になりますね」

 『ひとまず走れ』は高校生3人が偶然21億ウォンもの巨額を手に入れ、巻き起こる騷動をアニメチックな想像力を織り交ぜながら描いた作品。宋承憲はその整ったルックスに似合わない役柄を積極的に消化しようと、監督と多くの対話を交わし、「あいつが交番で狂ったようなこと口走っていた時から分かっていた」といったアドリブもロケ現場で即興で演じて見せた。

 昨年10月から6カ月間ドラマ出演のオファーを全て断り、この作品だけに集中してきた宋承憲は、しばらくは映画に専念するつもりだ。「ただテレビのスイッチを入れたら画面に出てくるようなタレントではなく、直接映画館を訪れて料金を払って見てもらうスクリーン俳優の方が魅力的です」

 宋承憲は昨年の春に台湾で放映されたドラマ『秋の童話』で旋風を巻き起こし、現地に多数の熱烈なファンがいる。今月 1日に行われた『ひとまず走れ』試写会場にも宋承憲を一目見るため、台湾の女性ファン20人ほどがわざわざ台湾からやってきたほどだ。

 これに応えるかのように、宋承憲は今年の夏、香港版『チャーリーズエンジェル』の『Virtual Twilight(夕陽天使)』に台湾女優スー・チーのボーイフレンド役で出演する。

シン・ヨングァン記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース