ソウル・アンダーズ江南ホテルで「ジャンヌダルク」というニックネームで呼ばれているハン・ヨンスさん(28)は、韓国国内の五つ星ホテルにはただ一人しかいない、女性のヘッドバーテンダーだ。上に上がるほど女性が少ないのはバーテンダー業界も同じ。女性が「長」になるのが難しいこの業界で、ハン・ヨンスさんは生まれ持った感覚と体力、誠実さで生き残った。だんだんと外国のものより韓国のものが愛されている今日このごろ..
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韓国国内の五つ星ホテルで女性としてただ一人、ヘッドバーテンダーになったハ・ヨンスさん。
ソウル・アンダーズ江南ホテルで「ジャンヌダルク」というニックネームで呼ばれているハン・ヨンスさん(28)は、韓国国内の五つ星ホテルにはただ一人しかいない、女性のヘッドバーテンダーだ。上に上がるほど女性が少ないのはバーテンダー業界も同じ。女性が「長」になるのが難しいこの業界で、ハン・ヨンスさんは生まれ持った感覚と体力、誠実さで生き残った。だんだんと外国のものより韓国のものが愛されている今日このごろ。ハン・ヨンスさんがソウルならではの味と香りを込めた、いわば「ソウル・カクテル」も話題を集めている。
◆カクテルも態度もわずかの差
ハン・ヨンスさんは「カクテルも働く態度も結局、少しの差がすべてを決定する」と語った。「同じカクテルでもどのように混ぜるのか、どれくらいスピーディーにつくるのかによって味が異なる。いい従業員になるのも似ている。私の場合は正しい姿勢から身に付けようと、一日5時間ずつ壁にピタッとついて立っている練習から始めた。お客さまとかがんだ姿勢で向き合えば、第一印象からよくないから」
伝統酒・焼酎にレモンジュース、紅酢を混ぜて卵の白身を加えたカクテルは、ニンニク・唐辛子油でいためたイカとよく合う。辛くてストレス解消にピッタリだ。
ソウル・カクテルも同じようなものだ。韓国料理にもあまねく合うようなカクテルをつくりたかった。そこで頭に浮かんだのがスタミナ食。シナモン、チョウジを煮出したラム酒にジンジャーエール、漢拏峰のジャムを混ぜ、高麗人参(3年根)の根を丸ごと入れた「ダーク&ソウル」を開発した。「味は濃いがさわやかで、サムギョプサル(豚バラ肉の焼き肉)のような肉料理とよく合う。忙しい都会の一日を耐えられるようにしてくれるドリンクだ」
◆辛く刺激的なソウルの夜
(上)ウイスキー・そば茶・レモンジュースを混ぜてかつおぶしをのせ、在来市場の香りを表現した「在来サワー」。下はシナモン・高麗人参などが入った「ダーク&ソウル」。
アルコール度数41度の焼酎「火堯(ファヨ)」にレモンジュース、紅酢、卵の白身を加えた「アンダーズ・サワー」が登場。澄んでいるがずしっとくる「火堯」にピリッとした清涼感を加える紅酢、後味をソフトにする卵の白身を組み合わせたもの。ソウルならではの熱く刺激的な魅力にも似ている。辛い肉いためやイカいために特によく合う。ハン・ヨンスさんは「1杯にさまざまな味を込められるよう、おもしろいカクテルになっている」と語った。「苦味・甘味・酸味・辛味まで調和させることができたらうれしい。目で見て鼻で楽しんで舌で味わいながら、一日を忘れるのがカクテルだから」
ソン・ヘジン記者
dizzo/朝鮮日報日本語版
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