建物があるだけで市民がほとんど訪れないことから「幽霊村」と呼ばれていたソウル市鍾路区の敦義門博物館村(9770平方メートル)が今、復活を遂げている。ソウル市は今年5月から6月にかけて2カ月間で、敦義門博物館村に11万1000人が訪れた、と7月9日に発表。今年4月にオープンしてからおよそ100日間でのことだ。村の歴史を示す敦義門博物館は昨年6月、3555人が訪れただけだった。しかし、今年6月には2..
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建物があるだけで市民がほとんど訪れないことから「幽霊村」と呼ばれていたソウル市鍾路区の敦義門博物館村(9770平方メートル)が今、復活を遂げている。ソウル市は今年5月から6月にかけて2カ月間で、敦義門博物館村に11万1000人が訪れた、と7月9日に発表。今年4月にオープンしてからおよそ100日間でのことだ。村の歴史を示す敦義門博物館は昨年6月、3555人が訪れただけだった。しかし、今年6月には2万5364人が訪問。1年前に比べ来館者が7倍以上増えたというわけだ。
敦義門博物館村の復活は、レトロな感性で新たに整備されたことが影響したとされる。村の造成には予算340億ウォン(約34億円)、リニューアルには追加で25億ウォン(約2億5000万円)が投じられた。7月7日午後2時、敦義門博物館に設けられた「コンピューターゲーム場」は家族連れでにぎわっていた。市民たちはストリートファイターやパックマン、ギャラガ、バブルバブルなど「懐かしのゲーム」を楽しんだ。息子(8)と一緒にやって来たサラリーマンのキム・チャンジュンさん(39)は「息子にゲームを教えていたのだが、気づいたら自分が前の席を占領していた」とした上で「昔あった学校の前の文具店にやって来たようだ」と語った。
敦義門博物館にある40棟のうち、最も反応がよいところは1960-80年代の雰囲気漂う「6080ゾーン」だ。映画『高校ヤルゲ』『裸足の青春』『鯨とり』などのポスターが貼られた「セムンアン劇場」も人気だ。『離れの客とお母さん』『帰らざる海兵』『ヨンシム』など古典映画を無料で上映している。映画館の横には昔の様子を再現した「三差路理容院」「西大門写真館」などがある。
路地に貼られた啓蒙ポスターも目を引く。「脳炎にかかって後悔しないよう、蚊を取って予防しよう」「家族を失って嘆かないよう、練炭ガスを前もって防ごう」「便所にふたをしてハエが増えるのを防ごう」といったポスターは、当時の社会像が垣間見える生活遺産だ。子どもたちと一緒に京畿道水原市からやって来たキム・ソンヨンさん(41)は「昔のことを思い出し、書かれている言葉一つ一つに笑ってしまった。昨年来たときは閑散としていたけれど、今は見どころも多く、またそのうち来てみたい」と語った。ソウル市の関係者は「親の世代は思い出にひたり、子どもたちは楽しさを感じる、各世代に合った博物館になったようだ」と話している。
ソウル市は来年、博物館村の前にある警察博物館が独立門近くに移転したら、その場所に3棟を追加で確保する予定だ。市の関係者は「敦義門博物館村計画第2弾を考える学術検討を下半期に行う計画だ。基本的な方向が決まったら、来年末には村が拡大できるだろう」と語った。
イ・へイン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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