韓国人歌手初のビルボード「ホット・ショット・デビュー(Hot Shot Debut)」だ。男性アイドルグループ防弾少年団(BTS)の3rdフルアルバム『LOVE YOURSELF 転‘Tear’』が米ビルボードのアルバムチャート「ビルボード200」で1位になることが分かった。ビルボード誌が27日(現地時間)、明らかにした。「ホット・ショット・デビュー」とは、ニューアルバムでビルボードチャート1位..
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韓国人歌手初のビルボード「ホット・ショット・デビュー(Hot Shot Debut)」だ。男性アイドルグループ防弾少年団(BTS)の3rdフルアルバム『LOVE YOURSELF 転‘Tear’』が米ビルボードのアルバムチャート「ビルボード200」で1位になることが分かった。ビルボード誌が27日(現地時間)、明らかにした。「ホット・ショット・デビュー」とは、ニューアルバムでビルボードチャート1位を取ることをいう。米国でもファン層が厚くネットワークが強力な大手レーベル所属歌手にしかできない記録だ。ビルボードチャートは毎週火曜日に発表される。このため、防弾少年団が24日の記者懇談会で、「ビルボードホット100とビルボード200で1位、グラミー賞に出席、そしてスタジアムツアーもしたいし、世界で最も影響力のある歌手になりたい」と言ったことのうち1つが4日後に実現したことになる。防弾少年団と所属事務所はお祭りムードだ。リーダーのRMは「全く実感がわかない。全世界のすべての『ARMY』(防弾少年団ファンクラブ会員)に大きな感謝の気持ちを伝えたい」と語った。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は同日、「国民と世界の人々に感動を分けてくれてありがとう」という祝電を送った。防弾少年団は今年の「ビルボード・ミュージック・アワード」で「トップ・ソーシャル・アーティスト」に2年連続で選ばれた。
ビルボード200は、毎週米国国内のアルバム販売枚数を中心にして決まるランキングだ。防弾少年団のニューアルバムは発売初週に13万5000枚売れた。このうち10万枚がCDで販売された。韓国の大手CD流通会社関係者は「ビルボードチャートはCD店の売上高とストリーミング再生数をきちんと反映している。韓国のように再生回数を人為的に増やしたり、アルバムを買い占めたりしても難しい記録だ」と言った。米音楽誌「ローリングストーン」はこのアルバムのレビューで「リード曲『FAKE LOVE』はシングルチャート40位以内に入るだろう」と予想していた。専門家は「これまで積み重ねてきた実績から予見できた結果だ」という反応だ。防弾少年団が初めてビルボード200にランクインしたのは2015年のミニアルバム『花様年華 pt.2』の171位だった。以降、16年5月の『花様年華Young Forever』(107位)、同年10月の『WINGS』(26位)、昨年3月の『YOU NEVER WALK ALONE』(61位)と徐々に順位を上げていった。昨年10月のミニアルバム『LOVE YOURSELF 承“Her”』は7位まで上がり、韓国人歌手で初めてビルボードアルバムチャート10位以内に入るという記録を作った。アルバム5枚がビルボード200に連続でランクインしたのだ。
今回のニューアルバムは特に熱い反響を呼んでいる。発売直後に英国のアルバムチャート8位になり、リード曲『FAKE LOVE』のミュージックビデオは動画共有サイト「ユーチューブ」で1億回以上再生された。アルバムを発売後の初ステージパフォーマンスはビルボード授賞式で、米NBCの人気トーク番組『エレンの部屋』に昨年に続き再び招待された。米国の音楽メディア「スピン」は「この日のショーで最も記憶に残るシーンは防弾少年団のファンたちの奇声と叫び声だった。編集でカットされた部分も、ほとんどが女性ファンが叫ぶシーンだった」と報道した。
大衆文化評論家チョン・ドクヒョン氏は「防弾少年団のアルバムがビルボード1位になったことには大きな意味がある。非英語圏の歌手による米国進出の壁が崩れる前兆だと見ることができる」と語った。事実、英語で歌われていないアルバムがビルボード1位になったのは、2006年のボーカル・グループ「イル・ディーヴォ(Il Divo)」の『ANCORA』以来12年ぶりだ。
専門家は「海外ファンの目線にどれだけうまく合わせていくかが成功維持の秘訣(ひけつ)になるだろう」と話す。大衆音楽評論家のキム・ジャッカ氏は「剣の群舞からライブまでこなす防弾少年団は、ボーイズ・グループの系譜が消えかかっている米国のファンにとって新鮮な衝撃だっただろう。特に防弾少年団はソーシャル・メディアで外国のファンの好みを把握し、アルバムやライブに反映させてきた」と分析した。事実、防弾少年団はビルボード賞で韓国語の歌詞「お前が(韓国語:ニガ)」を「ここ(韓国語:ヨギ)」に変えて歌った。これは、黒人の蔑称(べっしょう)「ニガー(nigger)」と発音が似ていたためだ。
防弾少年団の勢いはシングルチャート「ビルボードホット100」ではっきりするものと見られる。アルバムチャートは簡単に1位が入れ替わるからだ。米音楽誌「ローリングストーン」は27日、「防弾少年団の歴史的なビルボード征服は1週間で終わるだろう。来週にはショーン・メンデス(カナダのポップスター)が『ホット・ショット・デビュー』する予定だからだ」と書いている。
【解説】ビルボードチャート=ビルボードチャートはジャンルごとに30種類があるが、ジャンルを問わないチャート「ビルボードホット100」とアルバムチャート「ビルボード200」が二大チャートとなっている。それぞれ「シングルチャート」と「アルバムチャート」とも呼ばれる。防弾少年団が1位になったのは「ビルボード200」だ。売上枚数を中心に決まる点は両チャートともほぼ同じだが、「ホット100」には放送回数が主要変数として作用する。両チャートを比べると「ホット100」の方が権威があり、一般的に「ビルボードチャート」と言えば「ホット100」を意味する。同チャートの40位以内に入ると「トップ40」と呼ばれ、「トップ40に1曲でも入れば3代が(著作権料で)暮らせる」と言われるほどだ。
ユン・スジョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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