貧しい家庭、いわゆる「泥のスプーン」として生まれたソ・ジアン(シン・ヘソン)が財閥一家の一員になっていくストーリーを描いたKBS第2テレビの『黄金色の私の人生』が最近、視聴率35%を突破した(ニールセン・コリア調べ)。全50話の同ドラマは、まだ前半の第18話(10月29日放送)の時点でこの記録を達成。いずれ今年の最高視聴率記録も塗り替えるだろう、という見方も出ている。これまでの最高視聴率は、同時..
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貧しい家庭、いわゆる「泥のスプーン」として生まれたソ・ジアン(シン・ヘソン)が財閥一家の一員になっていくストーリーを描いたKBS第2テレビの『黄金色の私の人生』が最近、視聴率35%を突破した(ニールセン・コリア調べ)。全50話の同ドラマは、まだ前半の第18話(10月29日放送)の時点でこの記録を達成。いずれ今年の最高視聴率記録も塗り替えるだろう、という見方も出ている。これまでの最高視聴率は、同時間帯に放送されていた『お父さんが変』の36.5%だ。
ドラマを見るなら決まってテレビをつけていた時代にも、視聴率30%は「夢の記録」と呼ばれていた。現在でも「大ヒット」を計る尺度として用いられている。IPテレビでいつでも再放送を見ることができ、スマートフォンのアプリでどの局の番組であろうと「見直し」ができる現代。ドラマ・バラエティーを問わず「本放送の視聴率」はどんどん落ちているにもかかわらず、唯一週末ドラマだけが視聴率30%を軽々と超える、その理由は何なのか。
■ホームドラマ、視聴者の確保に有利
週末ドラマの利点は、包括的な視聴者層だ。週末ドラマは「ホームドラマ」とも呼ばれる。未就学の児童から社会人、さらには一線を退いたシニアまで、あらゆる世代が1本のドラマに登場する。本紙が視聴率調査機関TNMSに依頼し、現在放映中の地上波放送局3社のドラマ視聴年齢層を分析した結果、ミニシリーズの視聴率競争でトップ(11月3日現在)の『魔女の法廷』(KBS第2)は40代(6.2%)、50代以上(12.5%)に偏っていたのに対し、『黄金色の私の人生』は40代(15%)、50代以上(43.7%)だけでなく20代以下(11.6%)、30代(8.8%)に至るまで、ほぼ平均的な分布を見せていた。
ホームドラマだからといって全てがヒットするわけではない。専門家らは「世代によって異なる共感可能な『時代コード』を作品に忠実に盛り込んでこそ成功する」と語った。KBSのペ・ギョンス責任プロデューサーは「『お父さんが変』の場合、50代以上を意識した『卒婚』、独身男女を念頭に置いた『婚活者』、そして就職活動中だったり試験準備中の人のきょうだいを登場させた。『黄金色の私の人生』には『金のスプーン(上流社会)』『泥のスプーン』というコードが挿入されている」「1本のドラマに『ミニ韓国』が盛り込まれているということ」と語った。
■分かりきっているのにハマる魅力
一部からは、テレビ視聴率は番組の人気を客観的に測定する指標ではない、という指摘も出ている。若い世代はテレビよりスマートフォンでコンテンツを消費する傾向があるからだ。しかし、こうした偏りを改善するために「注目度」(オンラインニュース掲載量)、「関心度」(ポータル検索量)、「支持度」(ソーシャルメディア共有量)などを総合的に分析して打ち出すCPI(コンテンツ影響力指数)でも、週末ドラマの順位は依然として高い。『黄金色の私の人生』の放送1週目、同作の順位は『病院船』(MBC)に続きドラマ全体で2位だった。
週末ドラマは「どれも似たり寄ったり」という批判も浴びてきた。愛し合う男女が実は腹違いのきょうだいだったとか、対立が和らいできたころにがんや不治の病が見つかる、という設定がそれだ。昨年7月に動画サイト「viki」で放映された韓中米の合作番組『Dramaworld』は、韓国ドラマのお決まりの設定を利用してパロディーも作った。財閥御曹司と彼を愛する貧しい女性、料理人を夢見る息子に会社を継げと迫る母親が登場する、といったように。
分かりきっているにもかかわらず、お決まりのストーリーに繰り返しハマってしまう理由について、テレビ評論家のチョン・ソクヒ氏は「設定が陳腐でもドラマが面白いので、視聴者の人気を得ている。面白みのある女性キャラをうまく発掘し、涙腺を刺激する感動的な展開を各所に混ぜ込むノウハウもヒットのコツ」と語った。
パク・サンヒョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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