イ・ソンギョン(26)は泣きそうだった。11日に放送が終わったドラマ『重量挙げの妖精 キム・ボクチュ』(MBC)のためだった。イ・ソンギョンに「女優」という肩書を与えた作品だ。大雑把だが気弱なところがある重量挙げの国家代表選手キム・ボクチュを完璧に演じきった。ジャージ姿と合うように、長い髪を切ってショートにし、毎朝バーベルを持って体を鍛えた。12日午後、ソウル市西橋洞で会ったイ・ソンギョンは「撮..
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イ・ソンギョン(26)は泣きそうだった。11日に放送が終わったドラマ『重量挙げの妖精 キム・ボクチュ』(MBC)のためだった。イ・ソンギョンに「女優」という肩書を与えた作品だ。大雑把だが気弱なところがある重量挙げの国家代表選手キム・ボクチュを完璧に演じきった。ジャージ姿と合うように、長い髪を切ってショートにし、毎朝バーベルを持って体を鍛えた。12日午後、ソウル市西橋洞で会ったイ・ソンギョンは「撮影中ずっとキム・ボクチュとして生きていた」と、キム・ボクチュそのものの表情や身振りを見せた。
2008年にスーパーモデル選抜大会「TOP11」に参加してデビューしたイ・ソンギョンは、すらりとした体と気位の高そうな表情で大衆の注目を集めた。しかし、キム・ボクチュに決まると体重を5キロも増やした。「チキン・豚足を夜食にして、毎朝ケーキを3つ口に入れた結果」だという。「ドラマ『ドクターズ』(SBS)を終えて、すぐに入った作品なので、『キム・ボクチュ』役に入り込むのは大変でした。体重が増えて肉がつき、好きだった服が合わなくなって憂鬱でした。けれど役に入りこんでからは、むしろ幸せでした。この姿すらも、キム・ボクチュの一部だと思うので!」。
14年に『大丈夫、愛さ』に出演してからわずか2年でつかみ取った初の主演作だった。負担感より責任感の方が大きかったが、「失うものはない」と思った。「負担感が襲ってくるたび、台本と配役に忠実にやろう、と繰り返しました。主人公役なので、場面場面をこなしていくだけでも感情線がだんだん積みあがっていきますね。そのままキム・ボクチュとして暮らしさえすれば、撮影には問題ありませんでした」。
メーンの視聴者層は20・30代。最終話の視聴率5.2%(ニールセン・コリア調べ)で幕を下ろしたが、注目度・関心度・支持度などを総合したCPI(コンテンツ影響力指数)では、全番組のトップ10に絶えず入っているほど人気だった。クリップ(clip。放送ハイライト)映像には「どきどきする」というコメントが数多く付いた。初めて恋に落ちた体育大学生2人の生き生きとした愛を描いた「青春ロマンス」だからだ。
イ・ソンギョンは「後々、このドラマは私にとっての『青春』として記憶されるだろう」と語った。「青春は、思い切りぶつかっていってもいいときじゃないですか」。印象深かったドラマの最後のセリフも「青春」だった。「持てるものはなく、失うものもないから怖くない。今ドキドキするのが青春」。
パク・サンヒョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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