視聴率30%を超えたドラマ『太陽の末裔(まつえい)』(KBS第2)で「間接広告(PPL=劇中の小道具や背景に企業名・商品などを出す広告手法)爆弾」がさく裂した。6日に放送された第13話で、制作スタッフはなんと10件ものブランドPPLを出した。これまで物語の舞台が海外の派兵地だったためPPLができなかったが、登場人物たちが韓国に戻った途端に「PPL爆弾」を集中投下したものだ。
この日の放送では、..
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視聴率30%を超えたドラマ『太陽の末裔(まつえい)』(KBS第2)で「間接広告(PPL=劇中の小道具や背景に企業名・商品などを出す広告手法)爆弾」がさく裂した。6日に放送された第13話で、制作スタッフはなんと10件ものブランドPPLを出した。これまで物語の舞台が海外の派兵地だったためPPLができなかったが、登場人物たちが韓国に戻った途端に「PPL爆弾」を集中投下したものだ。
この日の放送では、ユ・シジン大尉(ソン・ジュンギ)と女性医師カン・モヨン(ソン・ヘギョ)が一晩中酒を飲んだ後、酔いを覚ますためなぜかフランチャイズ展開する特定のサンドイッチ店に入り、支払いには特定のスマートフォンの簡単決済機能を使った。2人は焼肉店で酒を飲みながら、「健康に良いから」と言って持ってきたアーモンドを食べた。カン・モヨンの自宅が出てくるシーンでは、カン・モヨン役を演じるソン・ヘギョがイメージキャラクターになっている化粧品はもちろん、韓方薬を煎じる機械が露骨に登場、ユ・シジン大尉がカン・モヨンにプレゼントしたネックレスもPPLブランドの商品だった。登場人物たちのデート場所もフランチャイズ展開されている特定のカフェだけと決まっており、飲み物やチョコバーもPPL商品だ。
極めつけはソ・デヨン上士(チン・グ)とユン・ミョンジュ中尉(キム・ジウォン)のキスシーンだった。2人がメインスポンサーの現代自動車製の車に乗り、自動走行機能にしてハンドルから手を離し、キスをするというシーンがあったのだ。
1話分の放送にPPLがあまりにもたくさんあったことから、インターネット上には「今回の放送は恩返し放送なのか」「60分間のPPLパーティー」「サプライズ出演した俳優ユ・アインもPPLのように見えた」など皮肉混じり批判が相次いだ。この日の放送は、登場人物たちの恋の闘いや飲み対決など、本筋とはあまり関係のない単発エピソードばかりだったため、余計に問題視された。終盤でユ・シジン大尉が銃で撃たれて病院に運ばれてくるシーンにも「強引な展開」と指摘の声が上がっている。PPLに物語の展開を当てはめていたところで突然、次回のストーリーに対する関心をあおっただけで終わったからだ。
制作費130億ウォン(約12億円)とされる『太陽の末裔』は、PPLだけで30億ウォン(約2億8000万円)を売り上げたという。しかし、これまで物語の舞台のほとんどが派兵地ということで、PPLを出すのが難しかった。このため、兵士たちは、特定の会社の紅参(高麗人参を蒸して乾燥させたもの)飲料を頻繁に飲むなど、強引にPPLを織り交ぜたことから「紅参の末裔」とまで言われている。
『太陽の末裔』のPPLは違法ではない。放送通信審議委員会は2009年、放送時間の5%以内に限りPPLを許可するという規制を緩和した。過度のPPLはドラマの展開を妨げるという指摘が相次いだが、「上がる一方の制作費や人気俳優の出演料を賄うための必要悪」という反論もある。同日の『太陽の末裔』は視聴率33.5%(ニールセン・コリア調べ)をマークした。瞬間最高視聴率が出たのは、車の自動運転機能を利用したキスシーンだった。
権承俊(クォン・スンジュン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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