カン・ドンウォン(35)はティッシュを鼻に当ててかんだ。ティッシュの山の隣には風邪薬の箱があった。「先週のすごく寒かった日にロケがあって風邪を引いてしまいました」。彼は昨年、3本の映画に出演、年が明けてからも撮影があった。昨年撮影された3本のうちの1本が今月3日に封切られた『検事外伝』(イ・イルヒョン監督)だ。ひたむきな性格の検事ピョン・ジェウク(ファン・ジョンミン)がぬれぎぬを着せられて刑務所..
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カン・ドンウォン(35)はティッシュを鼻に当ててかんだ。ティッシュの山の隣には風邪薬の箱があった。「先週のすごく寒かった日にロケがあって風邪を引いてしまいました」。彼は昨年、3本の映画に出演、年が明けてからも撮影があった。昨年撮影された3本のうちの1本が今月3日に封切られた『検事外伝』(イ・イルヒョン監督)だ。ひたむきな性格の検事ピョン・ジェウク(ファン・ジョンミン)がぬれぎぬを着せられて刑務所に入れられた。ジェウクはそこで出会った詐欺師チウォン(カン・ドンウォン)を出所させ、チウォンを使って真相を究明していく。ストーリーだけ聞くとサスペンスのようだが、実はコメディーだ。
この映画を育てたのは、8割方がファン・ジョンミン、カン・ドンウォン、イ・ソンミン、チョ・ジヌンといった出演者たちだ。旧正月(今年は2月8日)連休にこの映画がヒットすれば、8割のうち半分以上はコミカルな演技を担ったカン・ドンウォンのおかげだろう。中卒のチウォンが「ペンシルバニアでは…」と言いながら留学生を装うシーンから観客はニヤニヤし始め、刑務所に面会に来た女性を誘惑するころには爆笑する。選挙演説でシャッフルダンス(若者に人気のステップが中心となったダンス)を踊り、通りがかりの中年女性たちの尻をペンペンたたく場面では、それこそ大笑いだ。それ以降はカン・ドンウォンが登場するだけで笑いが巻き起こった。
カン・ドンウォンは「シャッフルダンスを踊ることになっているのに、どんなダンスなのか知りませんでした。ダンス・スクールに10回くらい通って練習しました」と言った。以前はクラブに行ったこともあったが、ダンスが楽しいと思ったことはなかった。「振付チームが付けてくれたダンスがすごかったので、夢中になって踊ったら、何度も吐きそうになってしまって…。一度撮ったら、そのまま倒れ込んでしまうほどでした。気がついたら撮影を見ていた人たちが僕のまねをして踊っていました。おばさんのお尻をたたいたことはあとで気付きました」。
10年前のカン・ドンウォンのインタビュー記事には「ナーバス」という言葉があった。だが、最近はインタビュー中に笑みを浮かべることもある。「以前は嫌なことを言われると『僕に何でこんなことを言うんだ』と思っていましたが、今は『そんなこともあるさ』とやり過ごします。好きなことがハッキリしてきたから、ほかのことは気にならなくなりました」。好きなこととは「映画作ること」だ。「映画に専念したくて、所属事務所をYGエンターテインメントに移しました。趣味は、一度夢中になるととことんやる性格なので、最初からやろうと思いません。昔の僕はとがっていて壊れやすかったですが、今は丸くなって丈夫になった気がします。自信が生まれたからでしょうか」。
『検事外伝』でカン・ドンウォンが演じたチウォンは、よく女性を利用して詐欺をする。彼が目でほほ笑むだけで女性たちは顔が真っ赤になる。カン・ドンウォンは「外国人の友達が女性に対してすることを参考にしました。『オレ、イケてると思わない?』という表情をしたり、好みのタイプの女性を正面から見つめたり、です」と笑った。カン・ドンウォンにはいわゆる「熱愛のうわさ」もない。「異性関係には自信がありません。女性のことはよく分かりません。気持ちが分からなくて…何を考えているのか…」
世の女性たちはカン・ドンウォンが制服を着ていても、受刑者服を着ていても、司祭服を着ていても熱狂する。映画『黒い司祭』に彼がブタを抱えて走るシーンがあったことから、「私もブタになりたい」と言いだす女性客もいた。「女性は難しい」と首を横に振るカン・ドンウォンに詐欺師役はピッタリのようだ。
卞熙媛(ピョン・ヒウォン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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