クォン・サンウは席に座るや「生き残らなくては、生き残らなくては」と呪文のように唱えた。ため息のようだった。最後に出演した韓国映画は、観客動員数70万人にとどまったチョン・リョウォンとのラブストーリー『痛み』(2011)。その後、これまでに中国で映画を3本撮り、韓国ではドラマ3本に出演した。4年ぶりにコメディー映画『探偵:The Beginning』(9月24日公開)で帰ってきたクォン・サンウは「..
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クォン・サンウは席に座るや「生き残らなくては、生き残らなくては」と呪文のように唱えた。ため息のようだった。最後に出演した韓国映画は、観客動員数70万人にとどまったチョン・リョウォンとのラブストーリー『痛み』(2011)。その後、これまでに中国で映画を3本撮り、韓国ではドラマ3本に出演した。4年ぶりにコメディー映画『探偵:The Beginning』(9月24日公開)で帰ってきたクォン・サンウは「ヒットに飢えていた」と話した。
「忘れられないようにするために、俳優には成績が重要。最高記録が『同い年の家庭教師』(520万人)なのだが、もう12年たった。中国でも活動し、ドラマで愛されてきた韓流俳優なのに、韓国映画では通用しない。久しぶりの映画なので、ヒットしなかったら自信をなくしそうだ」
生存というテーマを掲げているクォン・サンウは、アクション、恋愛、コメディーの中でコメディーを選んだ。『探偵』でクォン・サンウは、漫画喫茶の運営や育児で忙しいさなか、未解決事件専門のパワーブロガーとして活躍するカン・デマン役を演じた。左遷された刑事ノ・テス(ソン・ドンイル)とコンビを組み、殺人事件を追跡するが、コミカルな演技がすごい。「変化が必要な時期であり、僕も二人の子どもを持つ父親なので、滑稽な演技をしてもいいだろうと思った」と打ち明けた。
どんなジャンルか、どんな作品かというより、身を投じていい結果を出すことができるかが重要だったという。最初に読んだとき、最高のシナリオだった。クォン・サンウは「構成に加え、事件と笑いのバランスが絶妙だった。それに、実際に二児の父親なので、それなりのカラーを出せる自信があった」と語った。「結局は、家庭の大切さを描いた映画」というわけだ。ソン・ドンイルはクォン・サンウについて「以前はオリーブオイルを塗っているような俳優だったが、今回はエゴマ油の塊」と言って笑った。
劇中、トレンチコートがよく似合っていたクォン・サンウは「推理をして犯人をつかまえに行く過程は、進む道が決められているが、カン・デマンであり、父親であり、夫としての空間はぽっかり空いていた。『クォン・サンウ流』に表現できる空間が魅力的だった」と振り返る。この日も、家の生ごみを捨ててから現場に来たという。
妻で女優のソン・テヨンについて「女子高生みたい。些細なことでよくすねるのが可愛らしい。恋愛中、燃え上がっていた感情がどんなものだったかは覚えていないが、今も飽きることなく、しっかりと過ごしていると思う」と語るクォン・サンウ。本格的なアクション映画を撮りたいという。『探偵』は、『くだらないロマンス』を手掛けたキム・ジョンフン監督の新作。120分、15歳以上観覧可。
朴敦圭(パク・トンギュ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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