済州島には数多くの観光スポットがある。そのため、旅行するときはどこに行くべきか、どのコースにすべきかというぜいたくな悩みに陥る。目的地を決める最も重要な決め手の一つは時間だろう。
そこで、空港から近いコースを巡るのはいかがだろうか。済州牧官衙-国立済州博物館-竜頭岩-わらびとタチウオの煮付け専門店-海心軒-ダウム・カカオ本社というコースだ。
■都会のど真ん中にある、いにしえの済州島「済州牧官衙」
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済州島には数多くの観光スポットがある。そのため、旅行するときはどこに行くべきか、どのコースにすべきかというぜいたくな悩みに陥る。目的地を決める最も重要な決め手の一つは時間だろう。
そこで、空港から近いコースを巡るのはいかがだろうか。済州牧官衙-国立済州博物館-竜頭岩-わらびとタチウオの煮付け専門店-海心軒-ダウム・カカオ本社というコースだ。
■都会のど真ん中にある、いにしえの済州島「済州牧官衙」
済州市三徒洞のど真ん中、ビルの谷間にあり、そのまま通り過ぎてしまいそうな場所に「済州牧官衙」がある。ここは済州牧という行政地区の事務が行われていた官衙(官庁)で、済州島の歴史を理解するのに重要な建築物のため、「済州7大建築物」に指定されている。現代的な建築物の間で埋もれてしまっているが、門の中に一足踏み込めば、まるでタイムスリップしたかのように、いにしえの済州島が目の前に広がる。
耽羅国時代から済州牧官衙は統治の中心だった。官衙は「観徳亭」という建物を含む周辺一帯に点在していたが、日本による植民地支配時代に無残にも破壊されてしまったため、2002年に専門家の考証を経てよみがえった。
入り口にある「観徳亭」から「弘化閣」「橘林堂」「延曦閣」を通り過ぎ、一番奥へ行くと「望京楼」がある。望京楼はかつて漢陽(現在のソウル)の方角を見詰めながら王の恩をたたえた所で、2階に上がると官衙の全景が広がる。望京楼の前には投壷をはじめとする伝統的な民俗芸能や「棍杖」という刑具があり、思い出作りに一役買っている。
また、官衙の所々にはろう人形が展示されており、済州島の当時の生活を紹介している。観徳亭内部の壁面には「十長生図」「赤壁大捷図」「商山四皓」などの壁画も描かれており、是非見ておきたい。
■耽羅からつながる歴史の痕跡「国立済州博物館」
済州牧官衙から約15分の距離にある国立済州博物館は、済州島の伝統民家を模して建てられた。済州島の文化形成過程を段階的に見ることができ、特に中央ホールの天井は「耽羅開国伝説」「漢拏山」をはじめ、「岩」「風」「女」が多い「三多島」をモチーフにしたステンドグラスで飾られている。
時代ごとにさまざまな発掘物・遺物などが展示されている展示室は、朝鮮王朝時代から近代までの済州島の様子や、1653年に遭難・漂着したオランダ人ハメルに関する記録が保存されている。また、屋外展示場には守護神や標識の役割をする「トルハルバン(石じいさんの意)」や「チョンナン(家の入り口をふさぐ丸太)」など、済州島でしか見られない展示物に直接触れることができる。
展示室を見学して中央ホールへ戻ると、済州邑城や済州牧官衙がいっそう身近になるだろう。企画展示室では済州島の歴史・文化に関するさまざまなテーマの特別展示が行われ、さまざまな教育プログラム・文化行事も体験できる。
■さわやかな潮風と新鮮な海の幸がある「竜頭岩」
岩の形が竜の頭に似ていることからその名が付いた「竜頭岩」は済州島を代表する観光スポットだ。しかも、空港から竜頭岩までは車で10分ほど。空港を出てすぐに、長い歳月を経て波と風で削られてできた奇岩を鑑賞できる。
竜頭岩近くでは海女が潜っている姿が見られるだけでなく、採れたての新鮮な海産物をその場ですぐに味わうこともできる。潮風に吹かれて食べるナマコ、アワビ、ホヤは、これまでに食べた海産物とは全く違う味だろう。
そして、竜頭岩がある海岸道路沿いに、梨湖海水浴場や涯月邑へと続くドライブコースを行くと、オシャレなレストランやカフェが多く、若者たちのデートスポットになっている。涯月港には小さな刺し身店や漁船が多く、楽しいドライブになること間違いなしだ。
■済州島特産のわらびとタチウオでつくった煮付け
済州島のわらびとタチウオは「済州7大特産品」になっている。わらびはタンパク質や繊維質など栄養豊富で、免疫力の向上に役立つ。タチウオは身が白くて柔らかく、子どもの成長促進やダイエットに効果的だ。
この二つの特産物を使った料理はどんな味がするのだろう。空港から近い竜潭海岸道路沿いの店にその答えがある。それは「わらびとタチウオの煮付け」だ。
身が厚い済州島産のタチウオに各種の野菜を入れた激辛の煮付けは、地元で有名な「ご飯の友」だ。このタチウオの煮付けにわらびを入れると、新たなおいしさが発見できる。わらびを入れただけだが、ほかの店とは違った風味が出て、店の看板メニューになっている。
空港からタクシーで15分ほどのところにある「わらびとタチウオの煮付け専門店」は早朝から開店しており朝食もOKだから、済州島旅行のスタートを飾るメニューとして期待を裏切らないだろう。
■そのほかの観光スポット
空港から近くて行きやすいスポットはほかにも多い。特に「済州7大建築物」に選ばれた「海心軒」と「ダウム・カカオ本社」は必見だ。海心軒は建築家のソ・ヒョン氏が建てた個人住宅で、玄武岩、打ち放しのコンクリート、透明なガラスでできている。デザイン的な要素に優れているのはもちろん、自然をありのままを感じることのできる、温かみのある建築物でもある。
大手検索サイトを運営する「ダウム」と無料通信アプリ「カカオトーク」などで知られる「カカオ」が合併してできた「ダウム・カカオ」本社の外観は、済州島の火山地形を思わせるデザインだ。クリエーティブで上下関係のない組織にピッタリのこの建物は、2012年に韓国建築文化大賞を受賞した。入り口ではトルハルバンがノートパソコンを持ってお出迎えしてくれる。一般の人々でも中に入ってカフェを利用することができる。
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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