16日夜、ソウル「芸術の殿堂」交響曲祭に出演したコリアン・シンフォニー・オーケストラはエルガーの「エニグマ変奏曲」(別名:「謎の変奏曲」)の中の「ニムロッド」をアンコール曲として演奏した。旅客船「セウォル号」沈没事故の犠牲者とその家族に哀悼の意を示し、生存者救助を祈る気持ちを込めての選曲だった。「ニムロッド」は追悼曲として広く使われる作品で、ダイアナ英皇太子妃の葬儀などでも演奏された。
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16日夜、ソウル「芸術の殿堂」交響曲祭に出演したコリアン・シンフォニー・オーケストラはエルガーの「エニグマ変奏曲」(別名:「謎の変奏曲」)の中の「ニムロッド」をアンコール曲として演奏した。旅客船「セウォル号」沈没事故の犠牲者とその家族に哀悼の意を示し、生存者救助を祈る気持ちを込めての選曲だった。「ニムロッド」は追悼曲として広く使われる作品で、ダイアナ英皇太子妃の葬儀などでも演奏された。
セウォル号沈没で犠牲者の数が増えるにつれ、公演や文化イベントでキャンセルが相次ぎ、自粛ムードが広がっている。
■イベント・制作発表会など中止・延期相次ぐ
イベント中止は官民共に相次いでいる。文化財庁は来月2日に宗廟、景福宮・昌徳宮・昌慶宮・徳寿宮の4大宮、光化門などで開かれる予定だった宮廷文化祝典を秋に延期した。韓国文化財保護財団も18日、伝統婚礼再現イベントの開始日を1週間先送りした。特に今回の沈没事故で最も多くの犠牲者を出している京畿道安山市は19日の「大阜海の香りチューリップ祭り」や、5月3日から3日間開催予定だった「国際通り演劇祭」などをすべて中止した。
映画・放送・音楽・ミュージカル界も同様だ。映画『人間中毒』は17日に予定されていた制作発表会を延期し、ZE:Aイム・シワンや少女時代サニーが吹き替えをしたアニメ映画『Rio2』のVIP試写会事前イベントも先送りされた。18日に予定されていたリュ・スンリョン主演映画『標的』のショーケース、歌手BoAのハリウッド進出作『Make Your Move』のプロモーションのインタビューもすべて延期された。
ミュージカル『フルハウス』は18日に行われる予定だったプレスコール・イベントをキャンセルし、18日にデジタルシングルをリリースする予定だった歌手ヤン・ヒウン、リナ・パークをはじめ、Block B、A pink、Crayon Pop、EXOなどのアイドルグループも音楽配信開始日やファンミーティング・サイン会・インタビューなどをすべて先送りし、哀悼の意を表した。
■ドラマ・バラエティー番組も放送休止
地上波テレビ局3局も主なドラマ・バラエティー番組を放送休止にするなど、自粛ムードだ。地上波3局では17日、すべてのバラエティー番組を休止し、今週の『全国のど自慢』や『ギャグコンサート』などの音楽・お笑い番組も休止されることになりそうだ。KBSは17日に放映予定だったバラエティー番組『ハッピー・トゥギャザー3』『食卓の神』、連続ドラマ『愛は歌に乗って』の休止を決めた。18日の週末ドラマ『本当に良い時代』記者懇談会、21日の月火ドラマ『ビッグマン』制作発表会も延期された。SBSは17日に予定していた新週末ドラマ『気持ち良い日』制作発表会を取りやめ、MBCはカン・ホドンが司会を務めるバラエティー番組の初回放送を先送りした。
ラジオの選曲も変わった。この日放送されたラジオ番組で流れた曲のほとんどがカナダの歌手マイケル・ブーブレの「Home」やソ・ヨンウンの「一人ではない私」、イ・スンファンの「家族」など行方不明者の救出を祈る曲だった。 MBCラジオ「チョ・ヒョンムのグッドモーニングFM」イ・ハンジェ・プロデューサーは「17日の1曲目はマイケル・ジャクソンの『You are not alone』だった。船の中で救助を待っている方々に向けた励ましのメッセージ。ラジオはテレビよりも感性的なメディアなので、選曲には特に気を使った」と話した。
■企業も相次いでイベント延期・縮小
フィスラーコリアは17日午前11時からロッテデパート本店(ソウル市中区)で製品を展示・販売し、収益金の一部でシングルマザーを支援するキャンペーンを展開することになっていたが、予定されていた女優チョン・ジヒョンの出演などはキャンセルし、イベント規模を縮小した。また、同デパートはセールのPRに関し、モデルが楽しそうに走っている姿などが写っている広告を別の内容に変更することにした。創業30周年を迎え大規模な顧客謝恩イベントを開催しているSKテレコムも内容をできるだけ抑えたものに変更、テレビCMを暫定的に中止することにした。
■ドラマ『炎の中へ』1週間延期
18日にスタート予定だったテレビ朝鮮特別企画ドラマ『炎の中へ』も放送を1週間延期した。
これは、16日に全羅南道・珍島沖で発生した旅客船「セウォル号」沈没で、全国民が行方不明者の無事を祈り、犠牲者を哀悼していることを考慮した決定だ。
テレビ朝鮮関係者は「『炎の中へ』だけでなく、18日に放送予定だったバラエティー番組はすべて休止・放送先送りされた。テレビ朝鮮では制作スタッフ・出演者全員が犠牲者に弔意を表し、行方不明者の救出を切実に祈っている」とコメントした。
『炎の中へ』第1話は25日夜11時に放送される。このドラマは韓国を経済発展させるため総合製鉄所を建設しようとする主人公と、その主人公を取り巻く人物たちの人生と情熱を描くドラマだ。
チョン・サンヒョク記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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