慶尚南道にある牛浦沼は、韓国で最も大きな自然の湿地だ。面積は2.3平方キロに及び、同道昌寧郡の遊魚面、梨房面、大合面、大池面の四つの行政区域にまたがっている。また、この沼は、およそ1億4000万年前の生物の化石が発見されるなど、大昔の歴史の痕跡を感じさせる場所でもある。
牛浦沼を楽しむなら、沼の周囲の散策コースを歩くのもいいが、日が短い今の季節ならサイクリングがお勧めだ。ただし自転車でスピードを..
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慶尚南道にある牛浦沼は、韓国で最も大きな自然の湿地だ。面積は2.3平方キロに及び、同道昌寧郡の遊魚面、梨房面、大合面、大池面の四つの行政区域にまたがっている。また、この沼は、およそ1億4000万年前の生物の化石が発見されるなど、大昔の歴史の痕跡を感じさせる場所でもある。
牛浦沼を回るのなら、歩くよりも自転車の方がよい。
牛浦沼を楽しむなら、沼の周囲の散策コースを歩くのもいいが、日が短い今の季節ならサイクリングがお勧めだ。ただし自転車でスピードを出せば鳥たちが驚くため、下りでもゆっくり走るといった心配りが必要だ。
サイクリングに出掛ける前に、沼の案内所で必ずコース図を手に入れておきたい。自分の自転車で走るのなら、すぐにスタート。自転車がなければレンタサイクルの貸し出し場所に行こう。好みや目的に合わせて、1人乗り、2人乗りの自転車が借りられる。料金は2時間で1人乗りが3000ウォン(約290円)、2人乗りは4000ウォン(約390円)。
さて、牛浦沼散策の始まりだ。沼の入り口を過ぎて道なりに下っていくと、コースが二手に分かれる。
第1コースではマルバヤナギ(写真上)が見られるほか、目の前で渡り鳥が観察できる(写真下左・右)。
コース図を確認すれば分かるが、左は展望台や渡り鳥の観察台を通ってチョクチボルという湿地の入り口に着く「自転車第1コース」。このコースの長所は、牛浦沼をすぐ近くで見られる点だ。ゆっくり自転車を走らせるか、しばし自転車を降りて歩いてみると、すぐ目の前で水面をゆうゆうと泳ぐ渡り鳥を見ることができる。
牛浦沼を目の前で見られるという第1コースに対し、第2コースは沼の全景を楽しめるのがポイントだ。テデ堤防に沿ってサジ浦という湿地の入り口に続くコースで、左側には牛浦沼をびっしり埋める渡り鳥たちが見える。
牛浦沼には現在、トキ、ヘラサギ、オオハクチョウといった天然記念物やタゲリ、ヒシクイ、トモエガモなどが冬を迎える準備をしている。運がよければ渡り鳥が群れを成して飛ぶ様子も見られる。このほか、右側にはテデ村の田畑の風景も見える。
第2コースでは牛浦沼の全景と渡り鳥の様子を楽しむことができる。
自転車第1コース(1.3キロ)と第2コース(1.4キロ)を全て回るとしても、2-3時間あれば十分だ。コースのはずれには自転車の折り返し点の表示があるほか、沼の水位が増加した際に立ち入り禁止になる旨の表示もあるため、注意したい。
自転車折り返し地点の表示はあるものの、個人の自転車で走っている場合は、(レンタサイクルのように時間を気にせず)牛浦沼をもっとたっぷり楽しめる。第2コースの終わりからサジ浦堤防にそって木浦沼に続く区間は、およそ5キロにわたり沼のすぐ近くを走れる。
牛浦沼で冬に備える渡り鳥たち。
もう少し違った雰囲気の道を走りたければ、森林コースに上がることもできる。自転車を持ち上げて階段を上ると、沼は見えなくなり松林が姿を現す。松の木から出る「フィトンチッド」という香り成分を満喫しながら自転車を走らせれば、特別な経験ができるはずだ。ちなみにこのルートは山道を走ることになるため、一般の自転車ではなくマウンテンバイクがよい。
牛浦沼の生態系について詳しく知りたいなら、入り口にある「牛浦沼生態館」を見学してみよう。生態館は、湿地である牛浦沼に生息する各種の野生動物と自然の生態について紹介・展示を行っている。
ちょっと変わった牛浦沼散策ができる森林コース。
牛浦沼は1988年3月にラムサール条約の登録湿地となり、99年2月に環境部(省に相当)の湿地保護地域に指定された。また2011年1月には天然保護区域に指定され、保護されている。特に牛浦沼は多くの動植物にとって、休憩地でもあり、生を営む場にもなっている。最近では開発の波に押されて生態系の破壊が進んでいるが、ここでは天の恵みである自然を保全している。
牛浦沼の入り口にある「牛浦沼生態館」。
■牛浦沼の関連情報
-位置:慶尚南道昌寧郡遊魚面 牛浦沼キル220
-問い合わせ:牛浦沼管理事務所(韓国055-530-1553)、牛浦沼生態館(韓国055-530-1551)
-牛浦沼生態館の開館時間:09:00-18:00(入場券売り場は17:00まで)、毎週月曜日休館
-ホームページ:http://www.upo.or.kr/main/
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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