イ・ジュンギはデビュー以来初めて、父親役に挑戦した。30代前半のイ・ジュンギは、子どもどころか未婚で、おいやめいたちにさえ優しくできないおじ、父親の役は簡単ではなかったはずだ。それでもイ・ジュンギがドラマ『Two Weeks』を選択したのは、脚本家ソ・ヒョンギョンへの信頼が大きかったからだ。同ドラマの視聴率は期待以下だったが、イ・ジュンギの見る目は間違っていなかった。一日一日意味もなく生きていた..
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イ・ジュンギはデビュー以来初めて、父親役に挑戦した。30代前半のイ・ジュンギは、子どもどころか未婚で、おいやめいたちにさえ優しくできないおじ、父親の役は簡単ではなかったはずだ。それでもイ・ジュンギがドラマ『Two Weeks』を選択したのは、脚本家ソ・ヒョンギョンへの信頼が大きかったからだ。同ドラマの視聴率は期待以下だったが、イ・ジュンギの見る目は間違っていなかった。一日一日意味もなく生きていた弱気な男チャン・テサンが、白血病にかかった幼い娘を助けるため、毎回生死の境を越えながら家長として成長していく姿は、視聴者をジーンとさせた。同ドラマが終わったとき、イ・ジュンギは完璧にチャン・テサンの顔だった。
-『Two Weeks』はアクションサスペンスというジャンルで、人間関係や事件などを解き明かしていく内容が多かった。毎回撮影は相当きつかったと思うが、ケガや大変だったことはないか。
「幸い、ケガはなかった。ただし演技への欲が強く、代役を使わずにやろうとしたため、危険な瞬間はあった。チャン・テサンが急流に巻き込まれて流されるシーン。見たところできると思ったのだが、実際に撮影をしてみたら、水をたくさん飲んだし、雨のせいで川の流れが速くなり、危険だった。僕のつまらない欲が、ちょっと間違えば作品に災いを招くかもしれないと思った。そのとき初めて、俳優は欲よりも作品のために、もう少し視野を広く持たなければならないと悟った」
「肉体より精神的に大変だった。父性愛は一度も経験がないので、最初はかなり迷いがあった。脚本のソ・ヒョンギョン先生からも、台本読み合わせのときから『イマイチだ』と冷静に言われた。先生は「チャン・テサンが最初に感情をしっかりとつかまなければ、作品全体が揺らいでしまう」と言い、お粗末な演技を見逃さなかった。ひどくしかられたため萎縮したし、怖くなった。あんな経験はデビュー以来初めて」
-ソ・ヒョンギョンとの仕事は大変だったと思う。実際にはどうだったのか。
「ソ・ヒョンギョン先生は本当にプロフェッショナルだったし、カリスマ性もすごかった。最初は『Two Weeks』に出演しないつもりだった。正直、できないと思った。僕がチャン・テサンを演じれば、ドラマ『追跡者THE CHASER』のソン・ヒョンジュ先輩と比較されることは分かり切っていた。下手したら、この作品が終わってから数年(仕事がなくて)休むことになると思った。ところが、先生が『イ・ジュンギの新たな一面を引き出す。信じてついてきない』と言ってくださって。その確信に満ちた言葉に心を打たれた。実際に撮影が始まったときは、台本があまりにも細かく、気の遠くなるような宿題を抱え込んだような気分だった。前半はかなり迷い、プレッシャーもあったが、一つ一つ問題を解いていく過程が面白かった。脚本家は、俳優に正確な地図を与える方。俳優が旅人なら、ソ・ヒョンギョン先生は旅人に目的地を案内する正確な地図。いつかまた、ご一緒したい」
-(イ・ジュンギが)自分で言っていたように、初めての父親役。父性愛を表現する演技はどうだったか。
「分からない感情なので難しかった。周りにも『イ・ジュンギを信じてみないと』ではなく『イ・ジュンギに父性愛を表現する演技ができるのか』と疑う人が多かった。幸い結果が悪くなかったのは、現場で監督が上手く導いてくれたおかげ。ドラマは映画に比べセリフのワンセンテンスが短く切れるため、感情をしっかりつかむのが簡単ではないが、感情をつかめるよう監督が十分に時間をくれた。そうしてある瞬間、自信がついた。チャン・テサンは周りの助けがなかったら演じ切ることはできなかった」
-子役のイ・チェミとの息もぴったりだった。制作発表会では、イ・チェミと会って結婚したいと思うようになったという話も。
「チェミと共演しながら、子どもができて家庭を持つようになったらどんな気分だろうかと想像してみた。チェミのような娘がいたら、本当に幸せだと思う。でも、結婚するにはまず恋愛から始めなければ。周りからも早く恋愛するよう言われるが、仕事に入ったら恋人を構ってあげられなさそうだし、こういうライフスタイルを理解してもらうのも簡単ではなさそうだし。いろいろな心配が多くて、うまく恋愛できるかどうか分からな(笑)」
-今後の計画は?
「『これから俳優生活をさらに数年続けられるな』と自信がついた。除隊後も20代の残像がかなり残っていたため、演技をするのにプレッシャーがあったが、『Two Weeks』を通じてだいぶ振り払うことができた。最近うれしいのは、周りから『次の作品が気になる』とよく言われること。これからも多くの作品でいろいろな経験ができそうで楽しみだ」
◆イ・ジュンギ、グラビアギャラリー
パク・ミエ記者
edaily/朝鮮日報日本語版
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