映画『ソウォン』の公開を控えた今月1日、ソウル市鍾路区三清洞のカフェでオム・ジウォンと会った。映画を見ながら、本当にたくさん笑って泣いたと伝えると「映画のことを思うだけで涙が出そうになる」と話すオム・ジウォンの目にはインタビュー中、何度も涙があふれた。
映画に登場する児童への性的虐待事件のせいだろうか。『ソウォン』について悲しい映画だろうと色眼鏡で見る人もいる。オム・ジウォンも2年前、シナリオを..
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映画『ソウォン』の公開を控えた今月1日、ソウル市鍾路区三清洞のカフェでオム・ジウォンと会った。映画を見ながら、本当にたくさん笑って泣いたと伝えると「映画のことを思うだけで涙が出そうになる」と話すオム・ジウォンの目にはインタビュー中、何度も涙があふれた。
映画に登場する児童への性的虐待事件のせいだろうか。『ソウォン』について悲しい映画だろうと色眼鏡で見る人もいる。オム・ジウォンも2年前、シナリオを読んだときは大変だと思った。ソン・ユナの勧めで再びシナリオを読んだとき、ようやくオウ・ジウォンの心に響いた。
「2回読んで、自分の作品だという気がした。またゆっくり読んでみたら、依然として胸が痛く大変ではあるけれど、家族が日常に戻っていく話がうまく生きていて、とても心温まる物語だと感じた。出演する俳優が本当に全身全霊で演じるしかないと思った。私は結婚と出産の経験がないため、きちんと演じられるかどうか心配だった」
がむしゃらな行動や方言混じりの口調、首が伸びたTシャツ…。工場で働く夫と暮らす慶尚南道昌原の主婦ミヒを演じるため、オム・ジウォンはすっぴんになった。
「日常の雰囲気が出ればいいなと思った。地方の小都市で暮らす家族なので、服も適当に着込んだ感じがいい、と漠然と思った。映画序盤から終わるころまでに体重が6キロ増えた。衣装の半分以上は自分の服。パジャマとして使おうと持参した首の伸びたTシャツを主に着ていた」
空き時間には共演者のキム・ヘスクと銭湯に行き、町の市場で服を購入するなど、撮影期間中はミヒとなって過ごした。
「胸の痛む物語だけれど、撮影中は今まで出演した映画の中でも特に楽しく幸せだった。イ・ジュニク監督も、現場が憂鬱なのでわざと明るくしていたように見えた。もちろん、元々の性格も明るいのだが(笑)。また、幼いイレ(子役)が現場にいたので、なおさらそうだった」
親しい仲間たちの応援も力になった。撮影中、現場に遊びに来たという「ハミモ(神様を愛する美女たちの会)」のメンバーたち。楽しく映画の撮影を見学していたと思っていたら、試写会では涙をこぼしていたという。
公開を控えた『ソウォン』は、約10万人もの観客を対象に試写会を行った。映画のテーマを聞いただけで一瞬ひるんでしまいそうな観客のため、最大限多くの人に見てもらうための選択だった。
「テーマだけを見て、気分が悪くなりそうだと言う人もいる。私は『ソウォン』のことを考えると『それにもかかわらず』という言葉が浮かぶ。ああいう事があったけれど、それにもかかわらず、生きていかなければならないし、生きるに値する価値があり、あきらめたらだめではないか。それにもかかわらず、笑ってしまうようなことも起きて。何も聞かずに、そのまま見て感じてほしい」
試写会を通じて観客に近づいたおかげだろうか。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やコミュニティーには、『ソウォン』について口コミで広げる観客が多い。
「試写会が終わると、皆さん泣いていた。SNSで映画の話もたくさんしてくださって。本当にありがたい。私たちは作る側ではないか。映画もたくさん見た。マーケティングチームも、話をしていると突然泣き出す。ほかの人たちも話の途中で泣いてしまうし。これは本当にすごく不思議な経験」
涙あり、笑いありで内容がギュッと詰まっていながら、不思議とすっきりする『ソウォン』。オム・ジウォンの言葉通り、まずは劇場に足を運んでほしい。観客も確実にオム・ジウォンが経験した「不思議な経験」をすることになるだろう。
◆韓国誌グラビアギャラリー
アン・イスル記者
STARNEWS/朝鮮日報日本語版
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