ようやく演技力が認められた女優キム・テヒ

2013/03/15 17:18

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 1980年3月29日に釜山広域市で生まれたキム・テヒは韓国一の名門大学、ソウル大学生活科学学部衣類学科を卒業した秀才だ。

 2000年に地下鉄でCMモデルにスカウトされたのをきっかけに芸能界デビュー、翌01年の映画『ラスト・プレゼント』でヒロイン、イ・ヨンエの少女時代を演じた。

 そして03年にクォン・サンウ&チェ・ジウ主演のドラマ『天国の階段』でヒロインをいじめるハン・ユリ役を熱演、同年のSBS演技大賞ニュースター賞を受賞してブレーク。しかし、評論家には「キム・テヒは型どおりの演技スタイルすらこなせていない」と酷評された。

 04年にドラマ『九尾狐外伝』でKBS演技大賞新人演技賞を受賞、キム・レウォンと共演した『ラブストーリー・イン・ハーバード』のヒットでSBS演技大賞10大スター賞、最高人気賞、05年第41回百想芸術大賞テレビ部門人気賞を受賞、トップ女優になった。

 チョン・ウソンと共演した映画『レストレス~中天~』(06年)では翌年の第28回青龍映画賞人気スター賞、第44回大鐘賞映画祭海外人気賞、第43回百想芸術大賞映画部門人気賞の3冠に輝いたものの、女優として本質的な部分である演技力に関しては常に批判され続け、「半人前のスター」「CM専門女優」と皮肉られた。

 スター性は最高だが演技力は不十分という汚名をぬぐおうと、07年には名優ソル・ギョングと映画『喧嘩-ヴィーナス vs 僕-』で共演、マスカラがグチャグチャになるほど涙を流したり、過激なアクションシーンをこなしたりしたが、酷評は消えなかった。

 その後しばらくオフを取り、演技の勉強に専念。09年にイ・ビョンホンと共演したスパイアクションドラマ『IRIS-アイリス-』では知的で芯の強い大韓民国国家安全局(NSS)のプロファイラー、チェ・スンヒを演じ、ラブストーリー部分はもちろん、身を呈したアクションで評判を呼んだ。特に主演したイ・ビョンホンとのベッドシーンや「キャンディー・キス」シーンは話題になった。

 『IRIS-アイリス-』の大ヒットで09年のKBS演技大賞中編ドラマ部門優秀演技賞、ベストカップル賞、第10回大韓民国国会大衆文化&メディア大賞特別賞を受賞。

 KBS演技大賞受賞直後には「女優として自信をなくしていたときに出会った作品が、ありがたいことに『IRIS-アイリス-』でした。このような賞までいただき、本当に光栄です」とあいさつして涙を見せた。

 その後、2年という空白を経て選んだのがドラマ『マイ・プリンセス』だ。

 キム・テヒが演じたのは、人生に前向きでケチな女子大生イ・ソル。だが、ある日突然、自分が大韓民国皇室の王女だということを知り、生活が一変する。混乱したり傷ついたりしてもそれを明るく乗り越えていくというヒロインだ。

 コミカルなシーンも涙の感動シーンもあったが、ドジで明るいイ・ソルを文句なしの演技力でこなして視聴者や評論家を驚かせ、これまでの「演技力不足」という批判を一掃した。

 そして同年、フジテレビのドラマ『僕とスターの99日』ではハン・ユナ役で、人気俳優の西島秀俊と共演、作品性や演技力を認められた。

 今年初めには兵役中の人気シンガー、Rain(ピ)と交際していることを正式に認めるなど、プライベートでも充実。次回作には4月初めスタート予定のSBSドラマ『張玉貞(チャン・オクチョン)、愛に生きる』が決まっている。

 「初めての時代劇挑戦」という大きな山を越えなければならないだけに、張玉貞(後の張禧嬪〈チャン・ヒビン〉)になり切ろうとせりふはもちろん、裁縫の名人という設定のため特訓をするなど、準備に万全を期している。

 単なるCMタレントから真の女優に生まれ変わったキム・テヒ。今後の活動が楽しみだ。

イ・デドク記者

朝鮮日報日本語版