テレビ番組を通じて見受けられる「刺激的な映像」が、これまで以上に増えている。テレビの扇情性に対する問題は何も昨日今日に始まったことではないが、最近では描写の程度がさらにエスカレートし、今では性的素材を扱った番組も、トークショーやドラマ、バラエティー番組などほぼすべてのジャンルにまで拡大している。
一時世論の激しい批判を受け「自粛モード」に突入するかに見えたガールズグループの露出度の高い衣裳やダン..
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▲背中が大きくはだけた衣装を身に着け、ジャケットの脱着を繰り返すガールズグループ「KARA」のミュージックビデオ(写真上)。MBC「ジャングルラブ」で男女が混浴する様子(写真左下)。「開脚ダンス」で論議を呼んだガールズグループ「Secret」のミュージックビデオ(写真右下)。/写真=ミュージックビデオ、MBCキャプチャー
テレビ番組を通じて見受けられる「刺激的な映像」が、これまで以上に増えている。テレビの扇情性に対する問題は何も昨日今日に始まったことではないが、最近では描写の程度がさらにエスカレートし、今では性的素材を扱った番組も、トークショーやドラマ、バラエティー番組などほぼすべてのジャンルにまで拡大している。
一時世論の激しい批判を受け「自粛モード」に突入するかに見えたガールズグループの露出度の高い衣裳やダンスの振り付けが、最近になって再び論議を呼んでいる。ガールズグループ「Secret」は両足を広げて太ももをさらけ出し、腰を動かす別名「開脚ダンス」を披露したが「刺激的にもほどがある」との指摘を受け、今では足を開く角度を抑えている。ガールズグループ「KARA」は背中のはだけた衣装を着用し、ジャケットを脱いだり着たりする動作を繰り返したことで「非常にけばけばしい」との批判を受けている。
地上波3社のトークショーは初めから「19禁」を掲げるなど「扇情的なジョーク」が飛び交っている。「15歳以上観覧可」のバラエティー番組「世の中を変えるクイズ」(MBC)では今月15日、あるコメディアンが子だくさんで有名な某コメディアンに対し「キム○○さんは結婚が必要条件なんじゃなくて、××が必要条件なのではないか」と突っ込んだ。当時の放送で「××」の部分は「ピー」という音声に変えられたものの、誰が見ても「セックス」という単語が当てはまることは一目瞭然だった。17日に放送された「ユ&キムの遊びにおいで」(MBC)内の19禁トークコーナー「トゥルーマンショー」で、ある男性出演者は「抱き合っているからといって警察に連行されはしない。少なくとも車が左右に揺れているとか、何かしら動いていないと連行まではいかない」と話した。
さらに今年7月に放送されたバラエティー番組「アンニョンハセヨ」(KBS)には、性教育に力を入れ過ぎる父の行動について話す一般の出演者が登場した。今年6月には「コ・ヒョンジョン・ショー」(SBS)で、ある演技派俳優が「夫婦が愛を分かち合うときは、一風変わった所ですべきだ。台所の流し台の下や大理石の食卓の角でするのがちょうどいい」などと発言した。最近終了したバラエティー番組「ジャングル・ラブ」(MBC)では観覧等級が「15歳以上」だったにもかかわらず、ジャングルで男女の出演者が水着姿で混浴するシーンを放送し、論議を呼んだ。
一般的には「15歳以上観覧可」のドラマのせりふでも、成人の視聴者でさえ恥ずかしくなるような性に関する「直説的」描写が多数引用されている。今年8月に終了したドラマ『紳士の品格』(SBS)は、男性主人公が女性主人公に「僕を誘惑したってダメだ。そもそも一緒に寝るつもりもないくせに」といったせりふが登場するなど、性的な会話や露出シーンが登場した。また、最近放送されたMBCの週末ドラマには、ある女性タレントが男性の友人を「誘惑」するために、胸部の露出度の高いワンピース姿で登場、物議を醸した。
これに対し、CJ E&Mのヨム・ソンホ芸能局長は「視聴者たちがインターネットなどを通じて性的なコンテンツに接する機会が増えたことで、自然とテレビ局の表現の度合いもエスカレートしていった。友人同士で気楽に話す性的な冗談をトークショーなどでも面白おかしく扱おうという、いわゆる素材の拡張現象と見ている」と話した。
一方、多くの専門家は「これまでタブー視されてきた性的描写の多いせりふやトークも、視聴率を稼ぐために、われわれの番組では率直に行うという点をアピールするテレビ局が増えている」(キム・ギョソク大衆文化評論家)、「後発の歌手(または番組)が注目されるためには、これまでの歌手よりもさらに派手にしようと躍起になる」(某大手企画会社の関係者)といったことを原因と見て、対策作りに乗り出している。大衆文化評論家のキム・ウォン氏は「テレビ局間の視聴率競争が激しさを増しているため、刺激的な素材、エロチックなシーンやトークが流行っている」とした上で、「テレビ局はエロチックな刺激ではなく、誰にでも受け入れられるまともな作品とプログラムの企画力で、視聴率をアップできるよう努力を傾けるべきだ」と話す。淑明女子大学メディア学部のシム・ジェウン教授は「テレビ局は容易に注目を集めることができる性的な描写を絶対あきらめないだろう。さらに刺激的でエロチックな内容が登場するはずで、テレビを視聴する青少年たちは性に対して正しい価値判断ができなくなる恐れがある。テレビ局はこのような影響力を考慮して性的描写を慎み、原論的ではあるが基本的な努力を怠るべきではない」と、テレビ局が独自の努力を傾けるよう注文した。
キム・ソンミン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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