ドラマ『栄光のジェイン』で、何事にも一生懸命、一途でまっすぐな青年キム・ヨングァンを好演したチョン・ジョンミョンにインタビューした。
―キム・ヨングァン役を引き受けた決め手となったのはどんな点ですか。
「ヨングァンというキャラクターは、自分と重なる部分が多く、そこに魅力を感じました。これが、ヨングァンを演じた理由でもあります。ヨングァンの魅力は、どこへ行っても屈することなく、前だけを見て突き進..
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ドラマ『栄光のジェイン』で、何事にも一生懸命、一途でまっすぐな青年キム・ヨングァンを好演したチョン・ジョンミョンにインタビューした。
―キム・ヨングァン役を引き受けた決め手となったのはどんな点ですか。
「ヨングァンというキャラクターは、自分と重なる部分が多く、そこに魅力を感じました。これが、ヨングァンを演じた理由でもあります。ヨングァンの魅力は、どこへ行っても屈することなく、前だけを見て突き進むたくましさだと思います。また、ヨングァンは決して運がいいというわけではありません。そういった面も、ヨングァンというキャラクターの魅力だと思います」
―ヨングァンの魅力をもう少し具体的に言うと?
「ヨングァンのたくましさに魅力を感じたのは、最近の韓国人の性向とも関係しているんです。近頃の韓国人は、少しでも大変だと思うとすぐに挫折してしまいます。ハングリー精神がないんです。すぐに『キツいから別の仕事をしよう』、『もうやめた』と根をあげます。ドラマ序盤のヨングァンは、野球選手として成功していて、怠慢な人物でした。練習もしないで気楽なことばかり考えていました。けれどその後、ヨングァンは二軍落ちを経験し、そこから目覚めていきます。一度決意したことは最後までやりとおす、一度かみついたら放さない、ヨングァンのそんな性格は、最近の韓国人とは真逆に描かれていたように思います。そういったことからも、ドラマの視聴者にメッセージを伝えられる、素晴らしいキャラクターだったと思います」
―このドラマは、ファンタジックで温かいストーリー性を持ちながらも、陰謀や犯罪、事故といった暗い面も描かれていました。ジョンミョンさんにとって、演じやすかったのか、あるいは難しかったのかを教えてください。
「ドラマ的な要素よりも、野球をする姿を多くお見せするという点では演じやすかったです。3カ月間ずっと野球の練習をしていたので、野球をするシーンの撮影は難しくありませんでした。ドラマ的な部分でいうと、ジェインの過去が隠されていく展開になりますよね? ジェインと僕、そして僕のお母さんとの関係も。そういった部分で、感情移入に苦労しました。そういう難しさを、僕の母親役を演じられたチェ・ミョンギルさんが、撮影現場の雰囲気を高めてくださいました。僕が演じやすいような空気を作ってくださったんです。最初は演技が難しく、現場の雰囲気をつかむことに苦労しましたが、チェ・ミョンギルさんのおかげで、現場が徐々に演じやすい雰囲気になっていきました」
―3カ月間にわたって野球の練習をされたとのことですが、どのような練習をされたのでしょうか。
「元プロ野球選手で、LGツインズの投手だった(※サムソン・リー名義で中日ドラゴンズにも在籍したことのある)イ・サンフンさんに教わりました。イ・サンフンさんは現在、野球スクールを設立されてるんです。よくあるサッカー教室みたいな感じです。初等部、中等部、高等部、大学部、社会人部と分かれていて、有名な選手も来ていましたよ。イ・サンフンさんから直接コーチを受けて、3カ月間ずっと一生懸命に練習しました」
―苦労されたので、もう少し野球のシーンが多ければよかったですね。
「本当に残念でした(笑)。あんなに練習をしたのに、野球のシーンが少なかったので、一緒に練習をした共演者やイ・サンフンさんも残念がっていました(笑)。
―ジェインとのラブロマンスはいかがでしたか。最初は実の妹のような存在でしたが、お互いの両親の関係もあり、切ないロマンスも描かれていると思いますが。
「ラブロマンスの部分は演じやすかったです。パク・ミニョンさんとは、撮影現場でもよく話し合いました。撮影に入る前、撮影の合間の休憩時間の時も、よく言葉を交わしました。お互いに助け合えたと思います。撮影中はお互いにいい感情を保てるよう、2人で一緒に努力しました。なので、とてもよかったと思います」
―ドラマ全編を通して、お気に入りのシーンなどはありますか。特に、力を入れたシーンなどがあれば教えてください。
「そうですね…。野球のシーンは、とにかく頑張りましたね。もちろん、ドラマ部分のシーンも一生懸命にやりましたが。野球をするシーンの撮影は、屋内と屋外の両方がありましたが、野球場での撮影は初めてだったんです。野球をする時は、周りが閉ざされた空間で行うことのほうが多かったのですが、プロ野球選手が本当にゲームをする野球場で撮影をしました。SKワイバーンズの本拠地で、仁川にある文鶴(ムナク)野球場です。いつも観客席で見ていた自分が本物のグラウンドに立てたことが、とても不思議でした。そんなこともあり、球場で撮影したシーンはとても楽しかったですね」
―ライバルのソ・イヌ役を演じられたイ・ジャンウさんの印象はいかがでしたか。
「イ・ジャンウさんは、僕よりも実際は6歳年下ですが、撮影初日から、とても頑張っていましたね。他の共演者と変わりなく、何かアイディアがあれば、お互いに意見を出し合いました。お互いに助け合いながら撮影できて、とてもおもしろかったですね。彼は年齢よりも大人びていると思うのですが、コミカルな面もあるんです。本当に楽しかったです。時々ですが、連絡もとっています。とてもまっすぐな子です」
―主人公たちの他にも個性的なキャラクターが多かったのですが、共演者の方々とおもしろいエピソードがあれば教えてください。
「ははは(笑)…やっぱりイ・ムンシクさんですかね? アドリブがものすごく多いんです。撮影中、台本にないせりふばかり話されるんです(笑)。その相手をする僕は、戸惑うじゃないですか。僕は台本に忠実なスタイルなんです。その場で思いついて、一つ、二つせりふを足してみることはありますが、イ・ムンシクさんの場合は、台本はベース、といった感じで、ほとんどを変えてしまうんですよ(笑)。なので、思いもよらないアクションが飛び出すんです。そんな感じなので、イ・ムンシクさんとのシーンは楽しかったんですが、笑いをこらえなければならないのは苦労しました(笑)」
―ドラマを撮影する前と撮影した後で、何か変わったことはありますか。
「もちろん気持ちの変化はありました。大変な思いをして一つの作品を終えたので、自分自身がアップグレードしたと思います。その勢いのまま、(中国ドラマ『天倫之情』の撮影のため)中国に行きました。中国でも、いい撮影ができたと思います。何の問題もなく、一段階、成長できたなという実感があります。撮影中は楽しいことも大変なこともありますが、それがあるからこそ成長できたのだと思います」
―次回作の予定はありますか。新作の噂の報道もありましたが。
「今の段階で決定している作品はありません。ドラマ、映画の両方を検討中です。今のところ、『これだ』と思えるような目につくような作品がまだないので、もう少し皆さんをお待たせすることになりそうです。報道で出た作品は、確かにお話はあったのですが、キャラクターが自分にはおもしろいと感じなかったこともあって、お断りしました。ちょっと気の早いニュースが出てしまいましたけど、最近ニュースに出ていなかったので、まあそんなこともいいんじゃないでしょうか(笑)」
―今後「こんな役をやってみたい」「あの人と共演してみたい」という希望があれば教えてください。
「僕は、まだまだ演技力をつける必要があります。韓国には演技に刺激を受けられるような先輩がたくさんいらっしゃいますよね。ソン・ガンホさん、チェ・ミンシクさん、キム・ユンソクさん、ハン・ソッキュさん、リュ・スンボムさん…。そういった先輩方と共演してみたいです。一緒に演技をしながら学ぶことができるような、そんな先輩方と共演することが僕の希望です。僕の目標は、素晴らしいスタッフ、俳優と作品を作ることです。いいエネルギーを持つ俳優っているじゃないですか。そういった俳優さんと一緒に演技をしたいです」
―最後に、自分が思う自分の魅力について教えてください。
「自分の魅力…何て言おうかな(笑)。ソフトな中にも強さがあること? そういうのってあるじゃないですか。『意外と強いんだね』というような。初対面の人によく言われるんです。実際に会うまでは、身長も低く見られ、気も弱そうに見られるんです。でも、いざ会ってみると、『実物は違うね。思ったより男らしいね』ってよく言われるんですよ」
チョン・ジョンミョンは、ナチュラルさが魅力の俳優だ。画面の中でも、いかにもうまい、という演技を見せる演技派ではないが、それでいて視聴者の心に残る演技を見せる。似合わない役をやってでもイメチェンを図りたい俳優がいる一方で、彼は自分が一番生かせる役をやることで、自分を高めていくタイプだ。キム・ヨングァンのように、これからもまっすぐ、前進してほしい。
チョン・ジョンミョンほか、逆境の中、明るくたくましく生きるヒロイン、ジェインにパク・ミニョン(『トキメキ☆成均館スキャンダル』『Dr.JIN』)、チョン・ジョンミョンのライバル役にイ・ジャンウ(『あなただけ』『アイドゥ・アイドゥ~素敵な靴は恋のはじまり』)と旬な配役で出生の秘密、記憶喪失、陰謀、三角関係、復讐劇と韓ドラの人気要素が満載のドラマ『栄光のジェイン』。DVD-SET1およびレンタルVol.1~6(発売・販売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント)が今月3日リリースされた。DVD-SET2、レンタルVol.7~12は11月2日発売。
野崎友子通信員
朝鮮日報日本語版
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