「これまで世界のあらゆる困難を背負っているような、しかめっ面の役ばかり演じてきましたが、生まれて初めて今回、明るくて裏のない役をいただきました」
子役出身で、俳優としてのキャリアが18年という俳優ペク・ソンヒョン(23)は、KBS第2の月火ドラマ『ビッグ』で、高校生キル・チュンシク役を心から楽しんでいる様子だった。この役はヒロイン、キル・ダラン(イ・ミンジョン)の弟で、好きな女性の前では見えを張..
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▲この子役がペク・ソンヒョン-1998年の映画『男の香り』に出演した9歳のとき(写真上)。2003年のMBCドラマ『チェオクの剣』で男性主人公ファンボ・ユン(イ・ソジン)の子どものころを演じた14歳のとき(同下)。
「これまで世界のあらゆる困難を背負っているような、しかめっ面の役ばかり演じてきましたが、生まれて初めて今回、明るくて裏のない役をいただきました」
子役出身で、俳優としてのキャリアが18年という俳優ペク・ソンヒョン(23)は、KBS第2の月火ドラマ『ビッグ』で、高校生キル・チュンシク役を心から楽しんでいる様子だった。この役はヒロイン、キル・ダラン(イ・ミンジョン)の弟で、好きな女性の前では見えを張るのに、「姉の夫」と「妻の妹」という呼び方すら区別できないハチャメチャな若者だ。ドラマ公式サイトの視聴者掲示板には「ドラマでいい味を出しているペク・ソンヒョンのおかげで今日も幸せ」「ドラマに活力を与えてくれるペク・ソンヒョンの出演時間をもう少し増やして」などの書き込みが相次いでいる。
19日にソウル・光化門で会ったペク・ソンヒョンは「もっとうまくできるという自信はありますが、出演時間が少ないので自分でも残念です。それでも明るい役を演じていると、自分の実生活も明るくなって楽しいですね」と語った。
ペク・ソンヒョンは1994年、5歳の時に母親の勧めで子役生活をスタートさせた。当時、隣に住んでいたタレント、イ・ウィジョンの母親がペク・ソンヒョンの才能を見抜き、橋渡ししてくれた。「小さいころの僕は童謡でなく、昔はやった歌謡曲を歌っていたのですが、それが不思議で面白いと思ってくださったようです。そういう歌を歌うと、祖父母が喜ぶので歌っていました」と笑う。
1994年の映画『私は願う 私に禁じられていることを』で、人気女優だった故チェ・ジンシルの息子役でデビュー。以降、ドラマ『チェオクの剣』(2003年)でイ・ソジンの子ども時代、『天国の階段』(同)でクォン・サンウの子ども時代、『英雄時代』(04-05年)でチャ・インピョの子ども時代、『海神-チャン・ボゴ』(同)でチェ・スジョンの子ども時代を演じた。「子役はドラマの序盤1-2話で主人公の成長過程を演じますが、逆境やトラウマに直面しているシーンが多かったので、とてもつらかったです。普通のドラマの2話分を1カ月以上かけて撮影しました」。
子どものころから俳優としての生活を送ってきたが、もともとのペク・ソンヒョンの夢は医者だった。「でも、05年の映画『マラソン』に出て、一生俳優でいようと思いました。『マラソン』で主演したチョ・スンウさんの姿を見てとりこになったんです。撮影中の目が今も忘れられません。『あ、あの人が見ている世界は僕が見ている世界とは少し違うんだ。僕もあんな風になりたい』と決心しました」。チョ・スンウはマラソンに挑戦する自閉症の若者を、ペク・ソンヒョンはその弟を演じた。
07年に中央大学演劇映画科に入学。その後も反抗的な高校生やワケありの剣客などを演じてきた。「演技を学ぶことができて、かつ演技力が要求される役ばかり希望していたので、いつも苦労して顔をしかめているような重い役ばかりになってしまいました。振り返ってみると、子役のイメージをぬぐおうと思ってわざとそうしていたんだと思います」。
だが、現在出演中の『ビッグ』については「新しい演技に挑戦してみたくて、監督にお願いして出演させていただきました。直前の作品が時代劇(JTBC『仁粋大妃』)で、いつも感情が高ぶっていました。『ビッグ』では思い切って砕けて、別な一面をお見せしたいです。見えを張るシーンでは、香港の俳優チャウ・シンチーを参考にしたり、前に王を演じた時の威張り散らす演技を思い出したりしながらやっています」。
これほど演技に熱心なのに「まだ自分を俳優と呼ぶには不十分なレベル」と話す。「俳優の人生を登山に例えるなら、僕は今、楽なコースが終わって、中級レベルの階段のない山道を自分で進まなければならない時期だと思います。主役を演じたい気持ちはありますが、死ぬまで演技を続けるつもりなので、先を急ごうとは思っていません」。
金城敏(キム・ソンミン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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