「ホジュン~宮廷医官への道~COMPLETE DVD-BOX」(発売元:コリア・エンターテインメント 販売元:松竹株式会社 映像商品部)の発売を記念した「ホジュンファミリー来日特別ファンミーティング」のため来日したチョン・グァンリョル。
チョン・グァンリョルといえば、『ホジュン~宮廷医官への道~』で素晴らしい演技を見せ、韓国ドラマ史上最高視聴率を記録、MBC演技大賞で大賞を受賞して一躍国民的俳優..
続き読む
「ホジュン~宮廷医官への道~COMPLETE DVD-BOX」(発売元:コリア・エンターテインメント 販売元:松竹株式会社 映像商品部)の発売を記念した「ホジュンファミリー来日特別ファンミーティング」のため来日したチョン・グァンリョル。
チョン・グァンリョルといえば、『ホジュン~宮廷医官への道~』で素晴らしい演技を見せ、韓国ドラマ史上最高視聴率を記録、MBC演技大賞で大賞を受賞して一躍国民的俳優に躍り出た。その後『朱蒙<チュモン>』『製パン王キム・タック』ほか数々の作品でカリスマ演技を披露。彼に代わる人はいない、という存在になっている。
―『ホジュン~宮廷医官への道~』で、初の時代劇であり、大作の主演をまかされた時の気持ちを覚えていますか。
「『ホジュン』という作品は、MBC創立記念特別企画ドラマという大きな作品だったので、それほどの大きな作品に出演するというのは本当に肩の荷が重かったというのが正直な気持ちでした」
―そのドラマでMBC演技大賞を受賞し、トップスターとなられたわけですが、その時の気持ちは。
「父はわたしを音楽家にしたいと思っていたので、俳優になることに反対だったんです。MBC演技大賞を受賞した時、父が初めて『息子として誇りに思う』と言ってくれたことが思い出に残っています」
―「ホジュン」は実在した歴史上の偉人ですが、こういう人物を演じることの難しさは。
「歴史上の人物を演じるのは難しいですね。自分がどういう演技をするかによって、視聴者にその人物がどういう人物だったのか、イメージを植え付けることになってしまうからです。責任重大なので、特に慎重に勉強して、その人のことをしっかり学んでから演技に取り組むようにしています」
―『ホジュン』に出演してズバリよかったことは。
「もちろん人気が出たことはよかったのですが、正直なところ、ドラマひとつのヒットということはそれほど重要な事ではなく、チョン・グァンリョルという一人の俳優がこれから進んでいくマラソンのような人生の通過点の一つだと思って、意外にそれだけで一喜一憂といった感じではなかったんです」
―『ホジュン』に出演する前と後で変わったことは。
「ファンの数が増えましたね(笑)。『ホジュン』がヒットしてから、全国どこでも、レストランに入ると厨房にあるありったけの料理を出してくれるようになりました(笑)。幸せに思うのは10代の若者から90代のおじいさん、おばあさんまでが、わたしを愛し、大切に思い、励ましてくれるようになりました。そういう環境にいられることが一番うれしいことで、力になります。
しかし、ファンが増えるということは、新しい姿を見せなければいけない、というプレッシャーを抱えることでもあります。それを越えなければならない、という苦しさもありました。それを克服したことで、いろいろな作品で自分の新しい姿を見せることが出来るようになり、充実した思いです」
―音楽家でなく俳優になりたいと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
「音楽は、コントラバスでコンクール2位になるほどの実力を持っていたんですが、若い時に見たマーロン・ブランドやジェームス・ディーンの反抗的な演技がとてもかっこよくて、それにあこがれて…結局、演技の道を進むことになりました」
―さまざまな役をやられますが、チョン・グァンリョルさんは、演技のポイントをどこに置きますか。
「わたしの持論ですが、俳優は演奏者と一緒だと思うんです。ある時は強い音、ある時は安らかな音を出したり。その人の目や行動や言葉でいろいろな色を出していく、そういう俳優でありたいと思います」
―最近は、カリスマあふれる役、会長やボス的な役が多いのですが、そういう役を演じる上で苦労することはありますか。
「カリスマというのは役に対する情熱だと思うんです。今までは強い役柄が多かったのですが、年も変わって、今年はラブコメやシットコムなどのコミカルな役柄にも挑戦してみようと思っています。シム・ウナさんと共演した『青春の罠』(‘99)という作品の中ではまた違う演技をしているのでぜひ見てください。あの時は、本当に韓国の女性にモテて大変だったんですよ(笑)」
―ラブコメなどの作品を考えているとのことですが、具体的に計画はありますか。
「実は今撮影中のMBCのドラマ(『光と影』)を撮影する前に、シットコムに参加することになっていたんですが、脚本家の方が急に亡くなられ、その話が流れてしまって…脚本家の先生のことを思うと胸が痛いですが、残念でした。機会があれば近いうちにと思っています」
―最近は、若い俳優さんと一緒に仕事をすることが多いと思いますが、現場で後輩たちにアドバイスをすることはありますか。
「若い人たちには、外見ではなく、心で演技してほしいと言っています。真心がこもっているかどうかが問題で、その真心が視聴者を感動させたり、泣かせたり、心を動かすもの。その真心が一番現れるのは目の光、目の演技、いわゆる目力ではないかと思うんです。若い俳優には頑張ってほしいと思うんですが、わたしと共演すると、後輩たちは皆緊張してしまうんですよ(笑)。緊張を解くために、面白いことを言ってみたり、食事に連れて行ったり、一緒に過ごす時間を作ったりしています。その後は、撮影が始まればそこは自分の演奏の場なので一人の俳優と俳優として、対等に、真剣に取り組みます」
―年末にSBS特別企画部門優秀演技賞を受賞された時のスピーチが話題になりましたが。
「『わたしには命よりも愛する恋人がいます。恋人の名前は演技です』と言ったのですが、演技に没頭すると自分ではなく別の人物が憑依してしまったような状態になったりするんです。それでそんなふうに話しました」
―スピーチに対する周りの反響はどうでしたか。
「授賞式の会場では、何か衝撃発言があるのでは?と一瞬、静まり返ってしまいました(笑)。
身近な人からはあなたらしい発言だと言われました。『恋人』と言いましたが、演技をすることで、愛があるから幸せな反面、苦痛を感じたり、傷ついたり、挫折を感じたりすることもよくあるんですよ」
―その演技という恋人とは、一生添い遂げていくんですよね。
「もちろん演技は一生続けていきますが、実は、韓国で飲食業の事業もしています。個人的には料理が得意で、フレンチ、イタリアンも作ります。日本料理もtsuji+Iで勉強しました。今後は料理も提供できるようなシェフもやりたいと思っているんですが、懐石料理は難しいですね(笑)」
チョン・グァンリョルの後輩俳優たちと同じように、気難しくて怖い人なのでは、と緊張してインタビューに臨んだが、「シットコム」とか「シェフ」という話題が出るという想定外の展開。カリスマというより、むしろ「優しいお父さん」タイプで意外にもシャイな人。しばし「クムワ王」も「チャン・ミノ会長」も「ク・イルチュン」もすっかり忘れてしまった。そして、早く彼のコメディ演技も見て見たいと思った。
野崎友子通信員
朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com