ソウル市鍾路区鍾路1街に本社を置くアイワ・フーズ・コリア(株)の松本ひとみ代表。ロッテホテルの近く、「とんあり」市庁広場店で会った松本代表は、ほかの従業員と同じ黒のTシャツを着ていた。いつも明るく笑顔を忘れず、みんなの手本になろうと手間や苦労を惜しまない姿がとても印象的だった。
流れるように韓国語を話す松本代表のトレードマークは、豊かな心と温かい人情だ。「本当に商売って誰でもできるものじゃな..
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ソウル市鍾路区鍾路1街に本社を置くアイワ・フーズ・コリア(株)の松本ひとみ代表。ロッテホテルの近く、「とんあり」市庁広場店で会った松本代表は、ほかの従業員と同じ黒のTシャツを着ていた。いつも明るく笑顔を忘れず、みんなの手本になろうと手間や苦労を惜しまない姿がとても印象的だった。
流れるように韓国語を話す松本代表のトレードマークは、豊かな心と温かい人情だ。「本当に商売って誰でもできるものじゃないわ」と言いながらも、お客さんの前ではいつも明るく、熱い大阪のオバチャン。韓国人にはおいしい日本料理を教え、韓国にいる日本人や観光客には故郷の味をごちそうしているうちに、いつのまにか3年。新村に1号店をオープンして以来、わずか2年で大規模な「とんあり」3号店をオープンさせた。
どうして韓国で店を経営するようになったのですか?
「17年前、韓国に旅行で2泊3日ほど滞在しました。精神的につらい時だったんですが、韓国民俗村で気持ちが落ち着いたというか…。竹林を吹き抜ける風の音一つとっても、気持ちが安らぐんです。まるで、『わたしがいるべき場所はここじゃないかしら』なんて気がするほど。そこで2002年に延世大学の韓国語学堂に入学し、本格的にソウル暮らしを始めたんです。卒業後もずっと残りたくて、一大決意をしました。韓国で『第2の人生』を過ごそうと」
日本では何をしていましたか?
「高校を卒業してから、食品問屋に就職して27年間、一生懸命仕事ばかりしていました。入社して初めてした仕事はお茶くみだったんですが、退社する時は会社の重責を担う役員をしていました」
「とんあり」(韓国語で「仲間・同好会・サークル」)という名前を付けたのは、何か特別な理由があるのでしょうか? 日本料理店ですが韓国語の名前ですよね。
「わたしが韓国を愛する気持ちと同じように、韓国のお客さんも日本が好きになって、関心を持ってくださることがありがたくて、うれしいと思いました。料理もそうですが、文化交流スペースにもなり、わたしとお客さんたちが一つになりたいと思い、そう名付けました。それに日本人のお客さんからも、韓国人のお客さんからも『どうして、“とんあり”と名付けたんですか?』と聞かれれば、自然と会話が弾むチャンスになりますから」
「とんあり」のメニューと特徴を簡単に教えてください。
「皆さん好みはそれぞれですが、『食い倒れ』の大阪人気質を生かし、本場の味付けとまったく同じにしています。また、韓国人、日本人、ほかの国から来た方にも、店に入ってきた瞬間から『あ、ここは日本だ』と感じていただきたいので、『基本』には忠実です。一言で言えば、当たり前のことを当たり前だと思って実戦すること、つまり『一期一会』の精神で料理を作り、お客さんに接しています」
韓国に住み始めたころ、一番困ったことは? また、今の韓国での暮らしにはどれくらい満足していますか?
「韓国人の考え方を克服し、理解することが一番大変でした。今はほとんど韓国人になってしまって、逆に大阪に行くと、自分でも驚くことがよくあります(笑)。実は、満足しているというよりも、あきらめることが増えたので、少し楽になったのかも」
最後に、一言。
「韓国という国は、知れば知るほどハマる国です。1~2回の旅行では韓国を知ることができません。わたしが一番大切だと思うのは人間関係ですが、韓国人と友達になれば韓国の本当の良さが分かるはずです。また、旅行でいらっしゃる方に言いたいのは、デパートや免税店などでショッピングするよりも、昔ながらの市場や人がたくさん集まっている食堂などへ行って、話をしてみてほしいということです。そのためには、韓国語の勉強も必要でしょ? 言葉が少しでも分かれば、旅行の楽しさが変わるから、一度チャレンジしてみてください」
韓方豚足と緑豆ピンデトクで疲労回復!チャンウォン屋の豚足
「ピマッコル」と呼ばれた朝鮮時代から続く鍾路の裏通りが消えた後も、その命脈を引き継いだ料理屋で、唯一の豚足専門店「チャンウォン屋」。50年の伝統を持つが、かげりの見えた豚足専門店を、キャリア17年のキム・ミジャ社長が味と真心で建て直し、この一帯ではピンデトク(緑豆の粉で作った韓国風お好み焼き)と豚足の名店になった。松本代表がこの店をオススメするのは「栄養満点でおいしい豚足が食べられるから」という理由もあるが、毎朝早くから店に出て、夜遅くまで働くキム・ミジャ社長の姿に感動したからだそう。松本代表自身も料理屋を経営しているが、チャンウォン屋のキム・ミジャ社長くらいになるには「まだまだ」だとか。同じ苦労をしているからか、つい、胸の内を漏らすうち、今では常連客を通り越し、親友になったという二人。キム・ミジャ社長は「松本代表のおかげで日本人客が大勢来るようになって、とてもありがたい」と感謝の言葉を忘れなかった。豚足は脂っ気がしっかり抜いてある、あっさり味の高タンパク食品で、お肌にいいコラーゲンがたっぷり。特に、チャンウォン屋の豚足はさまざまな韓方(韓国漢方)の材料にもなる食材が使われており、夏バテにも効きそう。また、刻みキャベツ入りの緑豆ピンデトクも外せないメニュー。緑豆ピンデトクは、カキの塩辛やタマネギピクルスと一緒に食べるとさらにグッド。豚足は、後ろ足はほとんど脂肪がなくてかみ応えがある一方、前足は軟らかいのが特徴だ。
*住所: ソウル市鍾路区鍾路1街24番ルメイエルビル
*時間: 8時30分-24時
*定休日: 年中無休
*Tel: 82-2-734-7230
atti/朝鮮日報日本語版
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