山崎社長は今月、8年間にわたった韓国での駐在生活を締めくくり、日本に戻る。友達と一緒に旅行で初めて韓国に来たのは1988年のこと。キムチやチゲといった辛い食べ物しかないと思っていたのに、テンジャンチゲ(韓国みそ鍋)やナムル(野菜のあえ物)など優しい味の食べ物もあることを知った。大好物になったホンオフェ(ガンギエイを発酵させた、刺激臭の強い食品)は、「韓国にわざわざ来なければ食べられなくなる」と残..
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山崎社長は今月、8年間にわたった韓国での駐在生活を締めくくり、日本に戻る。友達と一緒に旅行で初めて韓国に来たのは1988年のこと。キムチやチゲといった辛い食べ物しかないと思っていたのに、テンジャンチゲ(韓国みそ鍋)やナムル(野菜のあえ物)など優しい味の食べ物もあることを知った。大好物になったホンオフェ(ガンギエイを発酵させた、刺激臭の強い食品)は、「韓国にわざわざ来なければ食べられなくなる」と残念がるほど、なじみの味になった。そんな山崎社長に会った。
食べることが大好きな山崎社長にとって、おいしい韓国料理とは癒しであると同時に、チャレン ジでもあった。初めてホンオフェの味を知ったのも、「韓国人でなければ食べられない」という社員の話を耳にし、チャレンジしたからだ。「ホンオフェの本場・全羅道で食べるのが一番」という山崎社長だが、ソウルでは瑞草区良才洞にある「龍山江」という店がオススメだという。「普段から人においしい店のことを聞くのが習慣になっている」とのことで、時間があれば教えてもらった店に行き、食べた感想を話すのが好きだそうだ。「韓国を離れる前に、行きたかった店にできれば全部行ってみたい」という社長が、最近行った店で一番気に入っているのは、地下鉄・東大門歴史文化公園駅(東大門運動場駅)近くにあるロシア家庭料理店だとか。だが、「韓国語も英語もあまり得意ではない店の人に、ロシア語で書かれた看板のことなどいろいろと聞きたかったのに、質問できないままおいしい料理を食べただけで出てきてしまって…」と残念そうだった。
-コーセー・コリア・コスメティックスの韓国市場はどうですか?
「当社のトップブランド『Cosme Decorte(コスメデコルテ)』は現在、デパートで17店舗、免税店で4店舗展開しています。アメリカ人デザイナーとのタイアップブランド『JILL STUART(ジルスチュアート)』はデパートに3店舗あります。また、日本においてコーセーの商品で最も有名で、単品としての売上数が最も多い『雪肌精』シリーズは化粧品専門店やドラッグストア『Olive Young』の各店舗で販売されています」
-ビューティー産業に携わっている立場から見て、韓国と日本の美の基準はそれぞれ何だと思いますか?
「個人差が大きいので一概には言えませんが、あえて言うなら、日本には『秘すれば花』という言葉があります。これは、美しさを表に出すのではなく、内に秘めておくことを美徳とする考え方です。これに対し、韓国人女性は堂々と『わたしって美人でしょ!』と言っているような気がします。美しさを誇り、表に出そうとする傾向が強いようです。たぶん、文化的な違いでしょう」
-両国の化粧品産業の相違点は?
「大きな違いではありませんが、いくつかあります。まず、韓国は訪問販売市場が日本に比べ大きいです。また、日本のデパートにある化粧品コーナーは苦戦していますが、韓国は逆です。さらに、インターネット販売のスピードが非常に速い一方で、化粧品専門店がかなり減っていると思います」
-韓国のおいしい店をたくさん知っていらっしゃると聞きました。韓国料理で一番おいしいものと、おすすめの店を教えてくださいますか?
「韓国料理でいくつか挙げるなら、個人的には、庶民的な定食をはじめ、ホンオフェ、伝統ある店が多いコングクス(冷たい豆乳のスープで食べる麺)、冷麺、コムタン(牛テールスープ)、ソルロンタン(牛骨スープ)、そしてその雰囲気がいい韓国的な肉料理文化、つまりサムギョプサル(豚バラ肉の焼き肉)と焼酎です。ソウルのおいしい店では、鍾路区三清洞にある『ドンラク』の素朴な定食が好き。南大門市場内の太刀魚(タチウオ)路地にある『オイソバギ』、江南区駅三洞にある『オクチュ食堂』の太刀魚料理もおいしいです。冷麺はやはり中区奨忠洞に本店がある『平壌麺屋』や『乙支麺屋』ですね。コムタンは『河東館』がいいし、麻浦区孔徳洞の豚カルビ屋『チェデポ』もおいしかったです」
-初めて韓国に来た時に印象に残ったエピソードや、旅行中に戸惑ったことは?
「学生だった1988年に初めて韓国に旅行で来ました。2001年には仕事で再び韓国に来ましたが、以前とはいろいろ変わっていました。どんなアクションをしても、対応が全部素早くて本当に驚きました。故障の修理を頼むとすぐ直してくれるから、1週間後にやっと来る日本のサービスがすごく遅く感じるようになりましたね」
-4月になると本格的な春の到来を感じるようになりますが、今後はどんな計画を?
「ずばり、日常業務や後任への引き継ぎ、そして引っ越し準備と実際の引っ越し作業であっという間に時間が経ってしまうでしょう。ただ、その中でも折を見て、お世話になった方々や、一緒にここまで苦労してきてくれた社員たちに、好きな店で好きな韓国料理を『ささげ』たいですね(笑)。それに、気に入った店だけでなく、行こうと思っていたのに行けなかった店にも最後に行っておきたいです」
26年の伝統、石焼き栄養ビビンバ&麦飯専門店ソンドン麦飯屋
小さいころ、裕福な家の箱入り娘として育ったイ・ブヨン社長は、料理上手な母親のおかげで、何一つ不自由ない生活と最高級の料理を存分に食べることができた。「自分はいくら頑張っても母親に追いつけない」と言うが、社長の料理の腕は、26年間通い続ける馴染み客たちが代弁してくれる。「ソンドン麦飯屋」を代表するメニューと言えば、6種類のナムルが入った、素朴だがボリュームたっぷりの麦飯(6000ウォン)と、香ばしいきつね色のおこげまで楽しめる栄養満点の石焼きビビンバ定食(9000ウォン)だ。さまざまな種類の豆やサツマイモ、ギンナンなどが入った栄養ビビンバは、その香りがたまらない「智異山みそ」で作ったテンジャンチゲと相性ピッタリ。優しい味のナムル、焼き海苔、豆腐のジョン(小麦粉と溶き卵をつけ、油で焼いた豆腐)を載せてお試しあれ。この最強トリオの絶妙の相性といったら! その場でジャガイモをすり下ろし、すぐに焼いたモチモチのカムジャジョン(ジャガイモもち、8000ウォン)や、強火でサッと炒め、やわらかいタコの食感を楽しむナクチポックム(タコの唐辛子みそ炒め、1万2000ウォン)もさすがだ。平日・週末とも昼12時前後のランチタイムは空席がないので、午前中の早い時間や午後2時以降に来るのがオススメだ。
■開館案内
*アクセス: ソウル特別市城北区城北洞237-3 交 地下鉄4号線漢城大入口(한성대입구)駅で下車、1111番、2112番のバスに乗り、城北2洞事務所で降りた後、少し行くと見える。
*Tel: 82-2-743-2096
atti/朝鮮日報日本語版
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