帯刀楯夫(おびなた たてお)会長の白髪交じりの髪は、その年輪と人徳を物語っていた。旅行好きということで、韓国人でもあまり知らない韓国の隠れた名所まで訪ね歩いている。長野県出身で、辛い韓国料理では、ソウル・武橋洞のナクチボックム(イイダコのトウガラシみそ炒め)やマッコリ(濁酒)に合うつまみ、それに済州島の海鮮トゥッペギ(鍋定食)は毎日食べたい料理だそうだ。
-韓国横河電機株式会社について、簡単..
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帯刀楯夫(おびなた たてお)会長の白髪交じりの髪は、その年輪と人徳を物語っていた。旅行好きということで、韓国人でもあまり知らない韓国の隠れた名所まで訪ね歩いている。長野県出身で、辛い韓国料理では、ソウル・武橋洞のナクチボックム(イイダコのトウガラシみそ炒め)やマッコリ(濁酒)に合うつまみ、それに済州島の海鮮トゥッペギ(鍋定食)は毎日食べたい料理だそうだ。
-韓国横河電機株式会社について、簡単にご説明ください。
1978年に韓日合弁会社として設立され、98年4月から横河の100%投資会社になりました。石油化学・石油精製・鉄鋼・液化天然ガス(LNG)・上下水道・電力など基幹産業専用の発電所を運営するための自動制御システムの販売のほか、エンジニアやサービスを提供しており、韓国最高のパートナシップを誇ります。2006年2月にはソウル市永登浦区楊坪洞に自社ビルを建て、現在230人の技術職員が勤めています。韓国にはさらに販売と生産事業を担当する投資会社が2社あり、合計3つの投資会社で約500人の従業員が働いています。
-これまで行った場所で、お気に入りのスポットを2カ所ご紹介ください。レストランでも、地方の遺跡でもいいです。その理由もお願いします。
まず、何と言っても漢江だと思います。世界の首都で、これほど大きな川が都心部の真ん中を流れているところはないでしょう。ソウル市民はもちろん、韓国人の誇り、シンボルだと思います。1970年代に起きた韓国経済の復興が「漢江の奇跡」と呼ばれていることに心から共感しています。漢江にかかる大きな橋の個性的なデザイン(例えば盤浦大橋の照明施設)、漢江の両岸にある公園、水上レストラン、市民の憩いの道、サイクリングロード、花壇といった四季折々の風景は、本当に気分が高まり、漢江を挟む両岸の4車線道路「川岸道路」やオリンピック道路はソウル市内の交通の中心であり、漢江と一体となって雄大な景色を演出しています。地方では、国連教育科学文化機関(ユネスコ)自然遺産に登録されている済州島が気に入っています。天からの恵みである自然や海の幸の宝庫。温暖な気候でプレーするゴルフなど、駐在員にとっては明日へのインスピレーションが得られるすばらしい場所です。
-日本と違う韓国の魅力は何だと思いますか?また、外国人として「韓国でこんな観光商品を開発してほしい」といったご要望はありますか?
日本のように資源が乏しく、工業化の旗印の下、輸出を目指す国。教育強化、あふれる人情味、食文化といった共通点があるのにもかかわらず、日本人観光客にリピーターが多いということは、まさしく韓国の魅力の証しです。何事にもゆったりと構え、心が広く、素早い決断・実行にも繊細さがあるのは、表と裏が少しあいまいな日本人とは違うと思います。私は韓国を訪れる日本人に対し、「韓国人と日本人は見かけや顔立ちが同じでも、それ以外は全然違う。だから、日本人の尺度で外国(韓国)を判断するのは間違っている」と言っています。
-日本人観光客に観光の際の注意点があるとしたら、どんなことですか?
道路が広く、車がスピードを出しやすいので、横断歩道で気を付けることや、市内バスの乗り降りが難しいこと、運転が荒いのでできれば乗らないことくらいでしょうか。都市部の治安は安全な方で、皆さん親切ですし、情が厚く、安心できます。かえって治安は日本よりもいいと思う時が多いです。
-最後に、今年の旧正月(旧暦1月1日)は2月14日です。新年を迎えるにあたり、一言お願いします。
韓日交流がいっそう活発化し、両国が互いに切磋琢磨(せっさたくま)することにより、経済・文化面での交流も国家間・草の根レベルとも真の信頼と友情でつながっていけるよう祈ります。私は企業で働いているという立場から、その一翼を担いたいと思っています。韓国駐在員として、韓国の実情を正しく日本本社に伝え、理解を促す任務を負っています。
ククシ屋
韓国横河電機が現在の米国大使館の裏通り(ソウル市鍾路区寿松洞)にあったころ、社長は韓国人だった。その妻は産婦人科医で、城北区城北洞に病院があった。その人の紹介で知ったのが、1969年開店の「ククシ屋」。「ククシ」とは、麺類(韓国語でククス)を意味する慶尚道方言で、庶民の代表的な料理であると同時に、昔懐かしい食べ物でもある。ここで、帯刀会長はいつも、「ククシ」1杯とゆでた牛肉を食べる。牛スネ肉などを煮込んださっぱりスープで作るこの店の手打ちカルククス(うどん)は、その名の通り手で粉をこね、手で打って作る。1日平均、一抱えもある小麦粉の大袋1袋分を打つというから、おおよそ100杯分は軽く超えるだろう。また、軟らかな「ゆで牛肉」はペコペコのおなかにもずっしりと満腹感を与えてくれる。
大根の千切りと一緒に食べると、また違った味に。カルククス大盛りが8000ウォン、並盛りは7000ウォン。冬の珍味、カキチヂミもおいしい。帯刀会長は「ククシ屋」の味もそうだが、オーナーのフレンドリーな人柄が大好きだと絶賛している。今は会社が移転してしまい、以前ほどは足しげく通えなくなったが、それでもときどき思い出してはドライブがてら日本人の多い竜山区東部二村洞から城北洞まで週末にやって来るそうだ。
■開館案内
*住所: ソウル市城北区城北洞1街9番地
*営業時間: 11時30分-14時30分(昼)、17時30分-21時(夜)
*TEL: 82-2-762-1924
*定休日:年中無休
記事=オ・スンヘ 写真=チェ・ヨンデ
atti/朝鮮日報日本語版
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