普段食べる料理でも、季節によってことさらおいしく感じるものがある。韓国の餃子・マンドゥもその一つで、冷たい風が吹き肌寒くなってくると、アツアツの餃子入りスープ、マンドゥクックが恋しくなる。世界中にはこれと似た料理が数多くあるが、それぞれ違う個性を持つ。韓国のマンドゥは日本の餃子はどこが違うのだろうか。様々な材料をふんだんに使った具のように、その豊富なマンドゥの世界をご紹介しよう。
◎マンドゥの..
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普段食べる料理でも、季節によってことさらおいしく感じるものがある。韓国の餃子・マンドゥもその一つで、冷たい風が吹き肌寒くなってくると、アツアツの餃子入りスープ、マンドゥクックが恋しくなる。世界中にはこれと似た料理が数多くあるが、それぞれ違う個性を持つ。韓国のマンドゥは日本の餃子はどこが違うのだろうか。様々な材料をふんだんに使った具のように、その豊富なマンドゥの世界をご紹介しよう。
◎マンドゥの由来
マンドゥ(饅頭)はもともと中国生まれの食べ物である。宋代に書かれた『事物紀原』によると、諸葛孔明が南蛮を征伐し凱旋の途中、川の氾濫で足止めされた。その土地の言い伝えでは「蛮人49人の首を切って、川の神に供えれば氾濫が抑えられる」と言われ、孔明は小麦粉の生地に羊肉を入れて人の頭の形を49個作り、これを川の神の供え、見事に氾濫を鎮めたといわれる。以後、中に肉を入れて蒸したものを「蛮頭」を呼び、「饅頭」と呼び改められた。韓国にマンドゥが伝わったのは、高麗時代(918‐1392)だという。ウイグル出身の中国人が今は北朝鮮にある高麗の都・開城にマンドゥの店を開き、「霜花」というマンドゥが伝わったという説だ。そんな開城のマンドゥは今でも有名だ。今は小麦粉の皮が多いが、昔はそば粉の皮もたくさん使われていた。1670年に書かれた料理本『飲食知味方』には、そば粉を使ったマンドゥの作り方が詳しく紹介されている。ほかにも朝鮮時代の文献にはマンドゥに関する記録が多く登場し、主に冬場の珍味として記されている。特にめでたいときには、お肉入りのマンドゥを食べていたという。
◎マンドゥの種類
マンドゥはその調理方法によって、チンマンドゥ(蒸し餃子)、ムルマンドゥ(水餃子)、クンマンドゥ(焼き餃子)、マンドゥクック(餃子入りスープ)があり、形によって丸いトゥングンマンドゥ、耳の形をしたクィマンドゥなどがある。また、具材によって野菜マンドゥ、肉マンドゥ、キムチマンドゥなどがあり、こぶし大のワンマンドゥもある。家庭で作ることもあるが、さまざまな種類の冷凍マンドゥが市販されていて、いつでも手軽に食べられる。
◎マンドゥの材料
韓国には「餅は松餅、具はマンドゥ」ということわざがある。つまり、皮が薄く具がいっぱい入ったマンドゥがおいしいということ。普通マンドゥの具には、牛肉、豚肉が多く使われるが、昔はキジ肉入りが多かったという。肉類のほかにキムチ、モヤシ、人参、キュウリ、玉ねぎなどの野菜と、豆腐や春雨も欠かせない材料だ。
韓国のマンドゥと日本の餃子、ここが違う
マンドゥは漢字で「饅頭」と書き、日本のお饅頭とはまったく違う。日本で韓国のマンドゥに似たものといえば餃子がある。中でも焼き餃子が主流だ。しかし、韓国で焼き餃子は中華料理店などで食べるのが普通で、韓国の伝統的なマンドゥ料理といえば、やはりチンマンドゥやマンドゥクックだ。冷凍マンドゥを家庭で焼いて食べることももちろんあるのだが。
タラクジョンのマンドゥには、豚肉、モヤシ、豆腐にゆでてみじん切りにした白菜が入る。皮の生地に必要なのは小麦粉と水だけ。まるで機械で作ったかのように、同じ厚さ・大きさで皮を作り、アンを詰め込んでいく達人に、マンドゥの作り方を教えてもらった。
❶ 小麦粉の生地を前後に転がしながら長く棒状に伸ばす。
❷ 手で適量をちぎる。包丁で同じ大きさに切っても良い。
❸ 手のひらで押さえて平たい円形にする。
❹ 具を皮に包む。
❺ 具を入れて半分に折る。
❻ 両端をしっかり押さえてくっつける。
❼ 半月状にした皮の両端を円になるように重ねて指で軽く押さえてとめると出来上がり。あとは、好みによって蒸したり、牛だしのスープに入れて食べるだけ。
▶ 具に入る野菜類はよく絞って水気をとる。
▶ 具は粘りが出るまでしっかり練り混ぜる。
▶ 具を混ぜるとき卵を入れると、皮が破れても具が崩れない。
マンドゥを作る風景
元旦などの特別な日、韓国の各家庭では、家族のみんなでマンドゥを作る。市販の皮を使う場合もあるが、やはり皮は小麦粉をこねて作ったほうがおいしい。出来上がった手作りのマンドゥは、蒸しマンドゥやマンドゥクックにして食べたり、蒸して冷ましてから冷凍する。冷凍しておけば、食べたいときいつでも食べられるのだ。インスタントラーメンに入れればマンドゥラーメン、トックク(餅スープ)に入れればトックマンドゥクックと、マンドゥのバリエーションも豊富だ。
記事=イ・ヒョンジュ, 写真=チング、チェ・ヨンデ
atti/朝鮮日報日本語版
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