2008年、韓国で513万人を動員する大ヒットとなった映画『チェイサー』(原題:『追撃者』)が5月1日に日本で封切られる。
『チェイサー』は第45回大鐘賞で最優秀作品賞、監督賞、主演男優賞など6部門受賞、第7回大韓民国映画大賞で最優秀作品賞、監督賞、主演男優賞など7部門を受賞するなど、作品面でも興行面でも大きな成果を挙げた作品。10カ月に21人を殺害したユ・ヨンチョル事件をベースにしたも..
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2008年、韓国で513万人を動員する大ヒットとなった映画『チェイサー』(原題:『追撃者』)が5月1日に日本で封切られる。
『チェイサー』は第45回大鐘賞で最優秀作品賞、監督賞、主演男優賞など6部門受賞、第7回大韓民国映画大賞で最優秀作品賞、監督賞、主演男優賞など7部門を受賞するなど、作品面でも興行面でも大きな成果を挙げた作品。10カ月に21人を殺害したユ・ヨンチョル事件をベースにしたものだ。
スピードと緊迫感溢れるダイナミックな展開、そして人間の愚かさや真の闇を見事描き出したのは、ナ・ホンジン監督。彼の短編を観た製作会社が、無条件で新作長編の獲得に走ったといわれるが、本作が長編デビューとは思えない仕上がりでその実力を証明している。
ただ一人殺人鬼を追う元刑事ジュンホを演じたキム・ユンソクは、本作の大ヒットにより実力を再評価され、数々の主演男優賞を受賞。そして、マーティン・スコセッシに「ディカプリオやマット・デイモンを遥かに凌ぐ可能性をもつ」と評されたハ・ジョンウは、背筋が凍るような演技で稀代の連続殺人鬼を演じた。
キム・ユンソクは、映画ヒットの理由について「すばり“正面突破”だ。ストーリーは、複雑に絡み合いどんでん返しがあるようなものではない。トリックの妙味もなく、ビハインドストーリーもない。最初から連続殺人犯のヨンミンと彼を追うジュンホの2人で正面突破を図る。その力が人を惹きつけてやまないんだと思う。また、自分たちの身近にいそうな人物が登場するから、より恐怖を感じさせ、緊張感を逃さないんだろう」とコメント。
『チェイサー』以来、オファーが絶えないキム・ユンソクだが、次回作に関して「『チェイサー』とは(タイプの)違った作品にしようとは思ってる。昨日地獄から抜け出した人間に、またあのどん底に戻れと? 少なくともスリラー以外の作品を」と笑った。
またハ・ジョンウは、『チェイサー』を振り返り「映画のシナリオをもらって読んだ瞬間に、これだ!というのがあった。撮影後も後悔や未練は一切ない。あの時間を通じ、とても大きなものを得た気がする。1人でブツブツつぶやいて、地面を見つめながら首を回す習慣がついた。どうしてか考えてみたら、何カ月間も1人で話してリアクションをとっていたから(笑)」と語る。
「“お前、本物の殺人鬼みたいだぞ”って言われるとうれしい(笑)。周りの人は、映画を観た後、僕の目をまっすぐ見られなくなったり、怖いと言って避けたりするようになった。そういう時にとても満足感があってうれしい」と、満足感を示している。
息が詰まるような恐怖と緊迫感をダイナミックに描いた『チェイサー』は、クロックワークス、アスミック・エース配給で5月1日よりシネマスクエアとうきゅうほかにて全国ロードショー公開される。
東京=野崎友子通信員
朝鮮日報日本語版
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