第21回東京国際映画祭“アジアの風”出品作品『クロッシング 祈りの大地』(以下『クロッシング』)のキム・テギュン監督とホン・ジヨンプロデューサーが24日、六本木ヒルズで記者会見を行った。
『クロッシング』は脱北者の父子の過酷な運命を描き、北朝鮮の実態に迫る問題作。主演のチャ・インピョの熱演も光り、暗いストーリーながらそこにある「真実」を訴えかける作品だ。
チャ・インピョをキャスティン..
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第21回東京国際映画祭“アジアの風”出品作品『クロッシング 祈りの大地』(以下『クロッシング』)のキム・テギュン監督とホン・ジヨンプロデューサーが24日、六本木ヒルズで記者会見を行った。
『クロッシング』は脱北者の父子の過酷な運命を描き、北朝鮮の実態に迫る問題作。主演のチャ・インピョの熱演も光り、暗いストーリーながらそこにある「真実」を訴えかける作品だ。
チャ・インピョをキャスティングした理由についてキム監督は「チャ・インピョはあか抜けた、都会的なイメージがあるが、実際、貧しい子供たちを助けるボランティアをしたり、養子をするなど心優しく、家族を思う父親役に合っていると思った」と話した。
「当初、この企画は実現不可能だと思った。制作費も集まらないだろうし、客も呼べないと思った。しかし以前、北朝鮮のドキュメンタリーを見たことを思い出し、結局やるに至った」とその制作が簡単ではなかったと語る。
「『クロッシング』の制作は秘密裏に進められたが、韓国と北朝鮮との関係がデリケートな時期であり、公にできなかった。スタッフには脱北者もいた。6カ月ぐらいかけ、さまざまな資料や映像を見まくり、脱北者100人ほどから話も聞いた。結果としては、微妙な問題を扱ったが、慎重に描いたので問題にならなかった」と苦労を明かすとともに、国内での好評に安堵(あんど)した様子だった。
『クロッシング』は第81回米アカデミー賞外国語映画賞部門の韓国代表作品に選ばれた。
ホン・プロデューサーは「国内で100万人の動員があったが、その数字以上の反響を感じた。この時代に作られるべき作品。外国人にこのことを知らせるべきということで選ばれたのだと思う」と喜びの一方、冷静に分析。
「今回の映画の後に作られる映画の結末がハッピーエンドになってほしい。自分たちの映画もそうしたかったが、現実はそうなっていない、ということでこのようなエンディングになった」と北朝鮮問題への苦慮の思いと希望を述べた。
キム・テギュン監督の思い、チャ・インピョの冒険的なカリスマ演技が心に刻まれる『クロッシング 祈りの大地』(www.crossing-movie.net)は2009年春、シネカノン有楽町1丁目ほか全国ロードショーされる。
東京=野崎友子通信員
朝鮮日報日本語版
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